37話 ページ38
.
―――――――――――……。
「トッティ」
「ん、なあに、十四松兄さん」
目の前でスマホをいじってるトッティにおれは声をかけた。
「ねえ、Aちゃんに何か言ったの?」
「!……いや、まだ……」
「え?」
「え?」
トッティの予想外の言葉におれは首を傾げた。おれが言いたかったのは、そういうことじゃなかった。
でも、この反応が来るってことは、あの日、おれがAちゃんをやきうに誘ったあの日以来、トッティはAちゃんとは会ってないということ。
だから、
「あーっ!!ごめんトッティ!やっぱなんでもない!」
「……変なの」
不信感をつのらせたような表情をおれに見せた後、トッティはこの家を出て行った。
どこに行ったのかは、よくわからない。でも、彼の中で、何かが固まったのだろう。
まっすぐ前を見て、この前みたいな迷いの表情が、消えた気がした。だからおれは
「頑張れ、トド松」
小さな声で、唯一の弟の背中にそんな言葉を投げかけた。
.
940人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
この前のあいつ(プロフ) - おみかんさん» 全部見てくださったのですか!嬉しいです!応援ありがとうございます! (2016年3月24日 10時) (レス) id: d7f15c5c72 (このIDを非表示/違反報告)
おみかん(プロフ) - こんにちは!作風すごく好きです。小説3つすべて拝見しました。とても素敵でどれも続きが楽しみです。応援してます。 (2016年3月22日 5時) (レス) id: 9b40e47e5e (このIDを非表示/違反報告)
この前のあいつ(プロフ) - 魔女?さん» わかりにくくてごめんなさい。主人公は栗毛の子なんです。プロローグは、妹のトト子ちゃんの方を先に書いたんです。本当に混乱させてしまってすみません。 (2016年3月9日 11時) (レス) id: 5a53ac0796 (このIDを非表示/違反報告)
魔女? - 私が違ったら、すみません。 (2016年3月9日 11時) (レス) id: f29a288e89 (このIDを非表示/違反報告)
魔女? - 主人公ちゃんは、黒髪ロングだったと思うんですが……? (2016年3月9日 11時) (レス) id: f29a288e89 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:この前のあいつ | 作成日時:2016年1月23日 21時