19話 ページ20
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「今更姉なんて、どの口が言ってんの?散々トト子ちゃんのこと放ったらかしにして、あんたトト子ちゃんの気持ちわかってんの?」
「……」
まただ。空は陰りだした。風も少し強まり、気温も、また下がる。
「あんたトト子ちゃんと最後に笑って話したのいつ?」
「……」
「言えないだろ?それほどあんた、トト子ちゃんに興味無いってことだよ。それなのに、ここで姉気取り?ふざけんなよ、不愉快だ」
……一松にしては、珍しく饒舌なんじゃなかろうか。
でもそれほど、トト子を想って、トト子を大事にしてくれてるんだね。ありがとう一松。
「……なんか言えば」
一松の目がより一層ぎらつく。
言うことなんて、何も無い。
だって一松の言ってること、全部あってるから。あ、いや、興味無いとかはちょっと違うけど。
興味無かったら、こんなにトト子のこと大事にしないよ。第一に考えないよ。
ほかの五人は、きゅっと口を結んで、一松と私をじっと見つめている。
でもね、君たち
「私はあんた達よりずっと、トト子のこと、わかってる」
はっきり、私は彼らにそう告げる。
すると、
――パシンッ!
突然、頬に鋭い痛み。じんじんと熱を帯びる、私の頬。
最初は何が起きたかわからず、ゆっくりと頬を触ってみる。ああ、そっか。
――私、ぶたれたのか。
安易な考え。でも的を射ていると思う。
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この前のあいつ(プロフ) - おみかんさん» 全部見てくださったのですか!嬉しいです!応援ありがとうございます! (2016年3月24日 10時) (レス) id: d7f15c5c72 (このIDを非表示/違反報告)
おみかん(プロフ) - こんにちは!作風すごく好きです。小説3つすべて拝見しました。とても素敵でどれも続きが楽しみです。応援してます。 (2016年3月22日 5時) (レス) id: 9b40e47e5e (このIDを非表示/違反報告)
この前のあいつ(プロフ) - 魔女?さん» わかりにくくてごめんなさい。主人公は栗毛の子なんです。プロローグは、妹のトト子ちゃんの方を先に書いたんです。本当に混乱させてしまってすみません。 (2016年3月9日 11時) (レス) id: 5a53ac0796 (このIDを非表示/違反報告)
魔女? - 私が違ったら、すみません。 (2016年3月9日 11時) (レス) id: f29a288e89 (このIDを非表示/違反報告)
魔女? - 主人公ちゃんは、黒髪ロングだったと思うんですが……? (2016年3月9日 11時) (レス) id: f29a288e89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:この前のあいつ | 作成日時:2016年1月23日 21時