episode*12 ページ12
一松くんに手を引かれながら、家路を辿る。
彼の手は私よりずっと大きくて、緊張しているのか、握る力は少し強くて。
男の子なんだなあって実感して、変に意識してしまう。
「そうだ…おれ、Aに言えてないことがあるんだよね」
私の手を引いていた彼がくるっと振り返る。
その顔は深刻そうで、なんだろうと胸がざわつく。
「高校の頃、おそ松兄さんに付き合ってるのかって聞かれた時におれが否定しちゃって、それが原因で別れた、でしょ?
…あれ、ずっと謝りたくて…本当にごめん、おれが臆病だからあんなことに…」
「そんな、本当に悪いのは私だよ…!
一松くんの本心じゃないって分かってたのに、その上で意地張って別れちゃって…私が子供だったから…」
「いやいや、Aが悪いわけないじゃん…
Aはおれにはもったいないくらいいい彼女、だったでしょ」
「そんなことない!
私、私…一松くんにいつも無理させてたでしょ…?」
じわ、と涙が込み上げてくる。
それに気付いたのか、一松くんが慌てて拭ってくれる。
「なっなんで泣くの、無理って何の話!?」
「一松くんっ、高校の頃無理してた、私、ほんとの一松くんがずっと見たかったのにっ、」
「え!?待ってA、おれが無理してたの気付いてたの!?死ぬほど恥ずかしいじゃんおれ…死ぬしかない…」
「あたりまえでしょ、彼女だもん!
…彼女だから、知りたかったのに、彼女なのに、一松くんに無理させてた」
泣きながら喋っているから上手く言葉に表せない。すると一松くんが「Aってばかだな」と言って頭を撫でてきた。
「…あれは、Aのせいじゃない。
まあ、高校時代に無理してたのは本当だけど…Aの前では無理してたっていうか、かっこつけたかったんだよね」
「あ〜はずかし…」とそっぽを向く一松くん。
「そうなの…?私、一松くんの負担になってなかった…?」
「はあ!?
こんな可愛い彼女を負担とか思うわけないだろ!」
「へ、」
「あ、」
一松くんの言葉に、二人して真っ赤になる。
なんなの今日、ドキドキさせられっぱなしだ…
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Mad Sick - 「んふふ・・・好きだ・・・一松君・・・嫁ぎたい・・・貢ぎたい・・・」(家族からの呆れの目)をいつもしている (2019年11月17日 0時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
ももにゃん - 一松様とってもかっこよかった (2019年8月21日 11時) (レス) id: a7f75cbff7 (このIDを非表示/違反報告)
はな - 面白かった!一松様かっこいい!!!! (2019年6月30日 18時) (レス) id: bcef719f8c (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ - 最高です!ついつい気になって読んだらもうほんっとにキュンキュンしてしまって…更新待ってます! (2019年5月21日 3時) (レス) id: 3a7699a194 (このIDを非表示/違反報告)
イセリン - やっぱ最高(^ω^)これからも頑張ってください!続き楽しみに待ってます! (2019年5月18日 14時) (レス) id: 528ec85869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏瀬 | 作成日時:2019年5月5日 19時