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□独占欲強め ページ42

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トド松



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女の子からのLINEを返しながら居間の卓袱台の上にもたれかかっていると、玄関から「ただいまー」と声が響く。

襖を開けて入ってきたのはチョロ松兄さん。



「おかえりなさい、今日もクソダサいね」

「ただいま、黙れよ」



僕の憎まれ口にも淡々と返してどさっとアイドルの物販の品々を床の上に置いて、チョロ松兄さんはもぞもぞとコタツに入る。

女の子とLINEを続ける僕に「かあさんは?」とたずねるチョロ松兄さん。



「Aちゃんと買い物」

「あー…」



チョロ松兄さんは頷いてテレビをつけると、僕の顔をじーっと凝視する。

「なに」と顔を上げてたずねると「お前、何不機嫌そうな顔してんの」と眉間にしわを寄せて尋ねた。あれ、意外とバレてる。



「別に。何でもない」

「お前ほんとそういうとこあるよな。なんでもない、兄さんには関係ないってすぐ誤魔化すし」

「いや…だってチョロ松兄さんも嫌な気持ちになるよ?聞いたら」



僕の言葉に「いや、ますます気になるんだけど」と怪訝そうな顔をするチョロ松兄さん。結局さっきAちゃんを迎えに行った時にあったことを話して聞かせると、「へぇー」と間延びした返事が返ってきた。



「え、それだけ!?反応うっす!!腹立つじゃん!お前だってAちゃんのただの同僚だろって!!」

「いや…まあいい気はしないけど、僕らだってAちゃんと付き合ってもないし、とやかく言える筋合いなくない?」

「……えー、そういうもん?意外と冷めてんね、チョロ松兄さん」

「実際その場にいたら、俺も腹たってると思うけど」



「前みたいに不審者とかじゃないんだから、Aちゃんが嫌がらない限りその男にも権利はあるでしょ」と淡々と言ってのけるチョロ松兄さんが何気大人だったことに驚きだ。

というか、童貞こじらせてるチョロ松兄さんに諭されたことが超恥ずかしい。



「チョロ松兄さん冷めすぎ、もっと『俺の女に触るな!!』ぐらいの勢いがないと」

「いや、それ言うのカラ松ぐらいだよ」

「そう?」



まあ確かに、そんなイッタイ台詞を言うのはあまりに恥ずかしすぎるけれど、僕はチョロ松兄さんみたいに「Aちゃんの自由だ」ってあの男のこと割り切れないよ。

完全に下心ある男と飲みに行くとか今すぐ止めたいし。



(意外と僕……独占欲強め?)



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□飲み会→←□命の恩人



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作者名:ちか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年12月29日 11時

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