■起きちゃうよ ページ13
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「じゃーもう寝よ。A、チョロ松連れて上がるの手伝って」
「はいはい」
おそ松さんと2人で居間に戻ると、卓袱台に突っ伏して寝ているチョロ松くんの肩を2人で支えて二階の六つ子たちの部屋に向かった。
そーっと上がってそーっと中に入ると、他のみんなはものすごい寝相で眠っていた。
「ちょ、十四松どけよ、入れねーだろ」
「マッスルハッスル!」
「うるせぇ!」
寝ぼけてる十四松くんと格闘しているおそ松さんを尻目に、私は月明かりが差し込む窓辺から、ぼんやり外を見る。
「よいしょ」とおそ松さんはチョロ松くんを寝かせると、私の隣にすっと立つ。
「寝ないんですか?おそ松さん」
「眠くないんだなコレが。Aは?」
「………まぁぼちぼち寝ます」
「一緒に寝る?」
「…………はい?」
爆弾発言に眉間にしわを寄せて聞き返せば、「まだ怖いんだろ?」とおそ松さんは私の頭を撫でた。
「物音にすげぇ敏感に反応してるし…」と苦笑いで言うおそ松さんに、気づかれてたのかと私は妙に照れくさくて小さく俯く。
「おそ松さんが、私にそんなに世話焼いてくれるのは、世話のかかる妹みたいだからですか?」
「ん?」
「昨日から、すごい面倒見てくれるから」
「………や、好きだからだけど。Aのこと」
ぽろっと言ったおそ松さんに、私は「え?」と隣を見つめ返す。
おそ松さんも、ほんのり赤い顔で私の方をちらりと見た。
「や。そういう冗談やめてください」
「いや、マジね、これ」
「え…」
いつものように冗談で受け流そうとした私を止めるようにおそ松さんは真面目な顔で私を見た。途端にかぁぁっと顔がほてる。
おそ松さんのことだから「本気にすんなよ!」とかって笑ってきそうだから、思わず手で顔を隠せば、その手首をぐいっと掴んで、布団の上に押し倒した。
「A…」
「ちょ、…近…」
隣を見れば誰かわかんないけど六つ子の誰かが眠りこけている。組み敷くようにして私の上に跨ると、おそ松さんがくちゅっと耳を舐めた。
「ひぅっ…」
「声、我慢しないとあいつら起きちゃうよ」
変な声を上げる私に「まぁ俺はいいけど」とイタズラっぽく笑いながら首筋に顔を埋めるおそ松さん。恥ずかしさと焦りで身体が火照る。
なんだ、この状況はと目を白黒させるしかない。
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