□集合 ページ9
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「井矢見さんは職場の上司で!」
「えっAちゃん公務員?最良物件じゃん」
天使のスマイルで私の太ももの上に手を置きながら言うトド松くんに「何が最良?」と苦笑い。
「頭のネジ全部ぶっ飛んでるのが、五男の十四松」
「あ、パーカーありがとう」
「こちらこそいい匂いにしてくれてありがとー!」
「…十四松兄さん、なんかいい匂いすると思ったら」
楽しそうに笑っている十四松くんのパーカーにトド松くんが匂いを嗅いでいる。
「この全然喋らないのが四男の一松」
「……」
「…Aちゃんほんとに一松兄さんと会ったことあるの?」
「会ったよ!猫の人だよね」
「…あぁ、秋刀魚女」
「平野Aです!!」
相変わらず眠たい目で私のことを見ている一松くんは、やっと分かったらしい。
「もう一人は買い出し出てるからもうちょっとで帰ってくると思う」とお茶を飲みながら言うおそ松さんに、私は5人の顔を順番に見つめる。
…覚えきれない。
「ただいまー」
「おっ!来た来た!チョロ松ーお客さーん」
「え?」
玄関に向かって叫ぶおそ松さんに、返事をしたチョロ松(?)さんは、襖を開ける。
「A、こいつ三男のチョロ松」
「…!!なっえっ!Aさん!?」
「こんにちは」
初めに会った、優しくてまともな松野さんだ。笑って挨拶すると、何故か顔を真っ赤にしてドサッと持っていたビニール袋を落とすと一回襖を閉めた。
「…え?」
「チョロ松兄さん!?」
「ちょっと待って!!心の準備できてないから!なんで!?え!?」
急いでチョロ松さんを追いかけるトド松くんと、頭の上にはてなが浮かぶ私たち。
黙り込んでいた中、いきなり言葉を発したのはカラ松さん。
「お前、前にチョロ松に会った時、あいつと何かあったか?」
「え?」
ヒールが折れたから助けてもらって、握手をして礼をしたと告げれば、カラ松さんは「あーそれで」となにかが腑に落ちたようだった。
「あー!手を見つめてため息ついてる事あったね!自分の手相で悩んでるのかと思ってた!」
「え、あ、あの、私チョロ松さんに嫌われてるんですか?」
なんか、避けられてるし…と、笑っている十四松くんを尻目におずおずと言うと、おそ松さんが普通の顔で言う。
「いや、むしろ好」
「黙れ貴様ぁぁあ!」
チョロ松さんに殴られて、おそ松さんがぶっ飛んだ。
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