松野チョロ松のその後 ページ40
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「あーっはっはっはっは!!!マジかよ、チョロ松、ぶくくッ、あひゃひゃひゃ!!」
「うるせぇ!!」
病室で笑い転げている松野おそ松の頭を、チョロ松くんは殴った。
「いや、結婚断られて入院って、ブッ...しかも、ジョークって、ブフォッッ!!!」
昨日、病院に運ばれたチョロ松くんのお見舞いにやってきた私とおそ松くん。
倒れた理由を聞かれてチョロ松くんが不服そうに答えると、おそ松くんは完全に壊れたので、私は彼を窓から放り投げて静かに窓を閉めた。
そして、チョロ松くんのベッドのそばに腰をかけた。
「チョロ松くん、ごめんなさい。私が嘘なんかついたから入院することになって...」
「いいよ、別に。Aは当然のこと言っただけだし。」
そう言って、チョロ松くんは私から顔を背けて寝転がった。
気まずい空気が漂う。
話を切り出そうとするが、言葉を失って俯いた。
「...ねぇ、」
ふと、チョロ松くんに呼ばれて顔を上げる。
未だに彼は顔を背けていた。
「一世一代の告白の返事が嘘だなんてすっごくつらかったんだけど、」
「...ごめんなさい、」
自分でも後悔している。
でもチョロ松くんに言ったことはほとんど嘘ではない。
正直、ニートと結婚はさすがに考えられなかったのだ。
この先大丈夫なのだろうか...と思うも、チョロ松くんのことは大好きなので、その場で冗談だと言おうとしたのだが、こんなことになってしまった。
「本当に深く反省しています...。」
「...ならさ、ちゃんとした返事して。」
ようやく振り向かれたチョロ松くんの目には、少し涙が溜まっていた。
それを見てしまったせいで私も涙が滲み出てくる。
「A、」
優しく引き寄せられて、抱きしめられる。
チョロ松くんの匂いと温もりに包まれて、涙が溢れ出した。
「ちゃんと仕事探して働くから、だから俺と結婚して。」
少しだけ震えるその声に微かに笑みがこぼれて、私はチョロ松くんを抱き締めた。
「チョロ松くんが仕事なくても私が頑張って養うから、結婚してください。」
「結婚はするけど養うのはダメ、俺が仕事探してA養うから。」
「なら一緒に頑張ろっか、チョロ松くん。」
初めて出会って付き合ってから2年
ちょっと変わった異常なカップルは、
今日で夫婦になります。
fin__.
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アキ(プロフ) - 須藤さん» コメントありがとうございます、いい作品と褒めていただき嬉しいです(T_T)そしてそして、数々の嬉しいお言葉連発ありがとうございます、泣いて感動しています。残すところあと少しですが、お付き合いお願い致します! (2016年4月1日 0時) (レス) id: 660573dbd7 (このIDを非表示/違反報告)
須藤 - 更新頑張ってください、応援してます!! (2016年3月30日 15時) (レス) id: b1248a3d5a (このIDを非表示/違反報告)
須藤 - コメント失礼します!!チョロ松が好きで、いい作品見つけちゃったといつも更新を楽しみにしています!!新作もとても楽しみで、もうすぐこの作品が終わるとなるととても寂しいです。作者さんの合作だとか、やることになったらぜひ見させてもらいます!! (2016年3月30日 15時) (レス) id: b1248a3d5a (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 猫叉さん» コメントありがとうございます。はい、"両手に松"の作者です!此方の作品と大分違いましたかね??目を通していただき嬉しいです、更新頑張ります!(*^^*) (2016年3月30日 0時) (レス) id: 660573dbd7 (このIDを非表示/違反報告)
猫叉(プロフ) - まさか『両手に松』の作者様だったとは…! 今回の作品も楽しく読ませていただきました! 更新頑張ってください! (2016年3月29日 23時) (レス) id: 85a2f20a22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アキ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年1月28日 12時