【 おそ松さん 】学生むつごと恋する短編集 3

テスト勉強 【 一松 】 ページ37

※付き合っていません
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『 教えてください一松せんせえ… 』


「 は? 」






あと一週間後に、期末テスト



こんなギリッギリになってやっと焦りだして
いざテスト勉強を、と取り掛かったのはいいけど







『 まっっっったく分からん! 』


「 馬鹿なの? 」






全くもって勉強の出来ない私は、
同じクラスの一松くんに助けを求めたのだ




一松くん、だるそうにしてるけど案外真面目で、
意外と成績よかったりする。







『 一松先生、これなんて読むの 』


「 ねぇその先生ってやめて 」






放課後、殆ど人のいない図書室に2人で並ぶように座り、勉強を教えてもらう



呆れながらも、しっかり教えてくれるから
一松くんは優しい






『 ありがとね、一松くん 』


「 は、え、な、なに急に… 」






ふと、思い立って感謝の気持ちを伝えれば
少し照れたように顔を逸らす一松くん







『 優しいよね、一松くん
こんな馬鹿な私に遅くまで付き合ってくれてさ 』


「 や、さしいとか、そういうのじゃないよ 」


『 えー、優しいよ、一松くん 』






謙遜してる一松くんに、笑顔を向けてそう伝えると



少し、間があったあと
一松くんが口を開いた









「 もし俺が 」


『 ん? 』


「 もし、俺がさ
下心があるって、言ったらどうする 」








そっぽを向いたままの彼にそう言われる






『 へ、…え
し、したごころ? 』


「 うん

…放課後、こうやってさ、残って教えてるのが
優しさじゃなくて 」








あんたのこと独り占めできるって言う下心。







「 って、思ってたらどうする? 」









やっとこっちを見た彼の目は、少し熱を帯びているようで

なんだか、熱い








『 な、にそれ… 』


「 ヒヒ、あー、引いた? 」







なんでもないよ、冗談

そう言って、席を立とうとする彼に







『 ま、待ってっ 』


「 は、なに… 」


『 わ、私も…っ
下心、あるって言ったら、どうしますか 』









テスト勉強、なんてそんなの

一松くんと2人っきりになりたいがための口実に決まってるじゃん








『 テスト勉強より、一松くんなんです… 』


「 …いや、それ…
ホント、反則だわ… 」








熱を帯びたその空間に、耐えられなくて
お互い顔を逸らす







「 ……テスト勉強、続きする? 」


『 いや、も… 集中出来ないので
おしまいで大丈夫… 』








ああきっと、赤点だ

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