35. 脳天を、 ページ36
夢主side
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『 こんな顔じゃ、外出れないよな 』
鏡を見ながら、一言つぶやく
母親につけられた頬の傷跡を眺めながら
痣は濃いし、腫れもひどい
オマケに唇も切れて血が滲んでいるし
何をされたか覚えてないけど、身体にも痣がいくつか
『 痛いな 』
傷というより、心が
今日も、十四松は路地裏に来てるのかな
だけど、こんな姿で会いに行っても
心配かける
心配かける、って
何
たしか前に、十四松が
心配するのも愛だよ、なんて言っていた
『 心配、してくれるのかな 』
私のこと
でも今は、何も考えたくなくて
一人部屋のベッドに沈む
それから、目が覚めたのは
外がすっかり暗くなった頃
『 やば… 寝てた 』
家の片付けも結局できていないまま
このままじゃ、昨日より酷い目にあわされるかもしれない
そう思った私は、急いでリビングに行く
と。
母 「 …あ、あんた、生きてたんだ 」
仕事からか、遊びからか
既に帰ってきてリビングで寛いでいた母親のその一言が
ガツン、ときて
脳天をぶち抜かれたような
そんな感覚
母 「 家の片付けもできないような奴はこの家にいらないから、さっさと居なくなってちょうだい 」
もうそこから
汗なのかなんなのか
頬が暖かい何かで濡れるのを感じながら
家を飛び出した
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ぶち抜かれたような。
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しゃび(プロフ) - リンゴさん» コメントありがとうございます。感動して頂けたようで何よりです…!確実に言えることではないのですが、もしかしたらまた続きのようなものを書く可能性もありますので、その時はぜひよろしくお願いします。続きを望んで頂けて嬉しい限りです。 (2019年3月6日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - とても感動しました。わたし、十四松推しなのですがもっともっとつづきをみたかったです。 (2019年3月6日 1時) (レス) id: fa8cdcdbb1 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 輝舞姫さん» コメントありがとうございます。そう言って下さり嬉しい限りです。一松推しなのに読んで下さりありがとうございます。 (2018年8月26日 21時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
輝舞姫(プロフ) - 完結おめでとうございますー。面白かったです。一松推しなのですが、十四松の事が好きになりそうでした。 (2018年8月26日 18時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 美羽さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。この小説はこれにて完結ですが、最後まで楽しんでいただけていたら幸いです。 (2018年8月26日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2018年7月22日 16時