【 鬼滅の刃 】かまぼこ隊と恋する短編集 弐

寝言 【 善逸 】 ページ6

善逸side
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可愛い可愛い、やばい可愛い。

俺の肩に凭れて眠るAちゃん





｢ いやいや、寝顔可愛すぎ… ｣




起こさないように小声で、

ちらっと横目で彼女を見れば、大きなその目を閉じてすやすやと気持ち良さそうに眠っている






｢ まつ毛長いなぁ ｣




すぅすぅと聞こえる寝息すら愛おしいなんて



その柔らかそうな頬に触れてみたくて、俺の手が伸びる





『 ん、』


｢ っ、あ ｣





やばい、起こしちゃったか


思わず触れてしまったその頬に、少し反応したAちゃん





『 ンン… 』


｢ ね、寝てる…? ｣





起こしたかと焦ったけど、まだ気持ちよさそうに眠ってる


それに、触れた俺の指に無意識か、頬を擦り寄せて






｢ えへへへ、可愛いなぁ ｣




もう何!? ほんと可愛すぎだわ

Aちゃんの行動にでれでれとしていれば






『 …、五郎… 』



と
寝言をぽつり。





ん?

ゴロウ…?






｢ ちょ、ちょちょ、何誰!? 五郎って誰!!? ｣


『 ッわ、な、何ッ 』





おいおい誰だよ五郎!!?


Aちゃんの口から出たその名前に思わず騒いだ俺に吃驚して起きた彼女





ごめん起こしちゃった

でもさ、でもさ!!?






｢ ねえ五郎って誰!!?何五郎って!! そこは普通俺の名前呼ばない!? ｣


『 な、何のこと…? 』


｢ 今寝言で言ってたのよ!!
五郎って、五郎ってぇ!! 何誰元恋人か何かですか!? ハァ!? 誰じゃ五郎今どこにいる五郎!!? ｣


『 ちょ、落ち着いて… 』





起きたらこんな騒いでる俺がいるなんてそりゃあ困惑するよね


理解が追いつかないまま俺を落ち着けようとしてくれるAちゃんは優しさの塊で出来ているんじゃないかな






｢ 俺の名前は五郎じゃないよ!? ｣


『 し、知ってるよ 』


｢ じゃあ何で五郎出てきたのぉぉ
俺の名前呼んでよ寝言でも俺名前呼ばれたいよぉぉぉ ｣


『 善逸… 』





くだらないことかもしれないが、寝言で出てきた五郎って奴に嫉妬しちゃうくらいには

Aちゃんの事好きだからさ。






『 よく分からないけど、私五郎って名前の知り合いいないよ 』


｢ へ…? そうなの? ｣


『 う、うん
何で寝言で言ったか分からないけど 』




元恋人なんて居ないし安心して
そう言われ






｢ よ、よがっだァァァ!! ｣


『 善逸が初めての恋人だから 』


｢ 俺もだよぉぉぉ
ていうか最初で最後にしてね!? 俺が最初で最後の恋人ね!!? ｣

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