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「潤って次いつ部活休みになるの？」
サッカー部に所属する潤は夏休み中も毎日のように部活がある。ほとんどは午前か午後のみだが、日に追って他校との練習試合があったり丸一日部活動のこともある。
「あー、明後日は午後休みだけど、それから毎日午後がずっと部活だわ。ああ、夏祭りの日は大丈夫」
「一緒に行ける！？」
「うん、毎年大体どこも午前中だけだし。解ってるよなぁウチの学校の先生たちは」
そう言って笑った潤にAも笑った。
「先生たちは見回りだって言ってたね」
「面倒だけど祭りの雰囲気はそれなりに楽しんでるっぽいよ、顧問のウッチーが言ってた」
「内田先生イケメンだから、補導されたい女の子一杯いそう」
「おい」
「‥潤の方がずーっとイケメンだし‥」
「‥‥お、おう」
「‥‥ちょっと、照れないでよっ」
「‥‥あーもう」
Aの、思いがけず素直な呟きに潤の白い肌が耳まで赤くなる。それを目の当たりにしたAも恥ずかしくなってしまう。
ソファに座ったまま膝を抱えて文句を言えば、潤が前髪をぐしゃっと乱した後Aの方へ体を向けた。
「え、あ‥‥」
体育座りした膝の上に置いた、右手首を掴まれる。ついそちらを向けば真剣な潤の瞳とかち合って、すぐに解る。
(キス、される‥)
緊張した面持ちの潤がそっとを顔を寄せるので、Aも急激に緊張する。
静かな室内にお互いの鼓動が聴こえそうなほどドキンドキンと高鳴っているのが解る。
捕まれた手首から伝わる潤の体温が余計にAの鼓動を速くする。
「A、目‥閉じろよ‥」
「っ、う、ん‥‥」
ふわっと触れるようなキス。
もう何度かこうやって唇をくっつけているのに、いまだにドキドキしてしょうがない。
じれったいくらいに唇を合わせたまま、時々すりっと擦り合わされる潤のかさついた唇にAはつい息を止めてしまう。
彼女が痛いくらいに目を瞑っているとき、相対する彼がその顔をじっと見つめているなんて知らないで。
(ほっぺた真っ赤だし‥‥くっそかわいい‥‥)
なんて思春期男子らしくドキドキしていることも知らないで。
(もうちょっとだけ、イイかな‥)
そう思った潤が、そっとAの唇を舌で舐める。
突然の刺激にビクッ！と大げさに震えた彼女が、閉じた瞼の上の綺麗な睫毛を震わせて「じゅ、じゅん‥？」と名前を呼ぶから。
「んっ、んう！？」
ぬるっと口の中に侵入してきた感触と熱に、逃げ場を失う。
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月7日 0時
