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くのなな ページ8

「春雨第七師団の団長ですよ」

「そんなこと聞いてないわよ」

「なんですか?」



アルコールが入った猿飛先輩は厄介だ。

机から身を乗り出し、聞いてくる。



「どうもこうもないです。・・ただの団長と、隊員っていうか、捕虜っていうか」



なぜこうも目が合わせられないのか。

目を逸らせば猿飛先輩はニヤリと口角を上げる。


嫌な予感。



「好きなのね」

「違います」

「だってアンタ、春雨を守るために天人の舟沈めたんでしょ?」

「そ、それはッ・・!」



口ごもれば勝ち誇ったような顔を見せる猿飛先輩に苛立ちを覚えながら



「まさか、敵に恋しちゃうなんてアンタも中々チャレンジャーなのね」

「だから違いますって!」

「いい加減認めなさいよ。顔真っ赤よ」

「酔ったんです」



因みにだが私のグラスに入っているのはウーロン茶だ。

酔うはずなどなかった。


そりゃあ、自覚がなかったと言えば嘘にはなる。

だけど、仮にも敵。



「忍びの恋愛はお忍びで・・ってね」

「はぁ?なんですか?それ」




眼鏡をクイッとあげた猿飛先輩は、酔いを覚ますように水を飲み干す。



「昔、私の先輩のくのいちが言ってたのよ。・・その先輩も敵のことを好きになってたの」



私とほぼ同じような状況だったらしい。
違うのはその人が片思いだということ。



「でもその先輩は、思いを告げられずにやられたわ。・・もちろん、忍びらしく忍んで恋愛をするのだって構わないわ。私のようにね」

「どの口が言うんですかストーカー」

「・・でも、伝えなければその先には後悔しかないわ」



猿飛先輩にしては意外すぎるまともな意見は、ぐっと飲み込んで席を立った。



「・・猿飛先輩も気を付けてくださいね。闇は幕臣まで届いてますから」

「ちょっとA!」


「あ、会計よろしくお願いしますね」



猿飛先輩のため息を背に、私は久々に家路についた。

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神阿(プロフ) - shiyuさん» 楽しんでいただけたようでとっても嬉しいです!ありがとうございました! (2016年7月31日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - ダイヤモンド・プリンセスとこの作品を読ませていただきました!後評価もさせていただきました(^^) とってもとっても面白かったです…!! (2016年7月31日 2時) (レス) id: aae2baa091 (このIDを非表示/違反報告)
真昼(プロフ) - はい!いいご返事期待してます!頑張って下さいね!p(^_^)q (2016年5月6日 22時) (レス) id: 193a3f96c8 (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 真昼さん» 検討させていただきますね!ありがとうございます! (2016年5月5日 22時) (レス) id: 3a209594c6 (このIDを非表示/違反報告)
真昼(プロフ) - 最終話?見ました!楽しかったです!その後が、気になります!続編書いて欲しいです! (2016年5月3日 11時) (レス) id: 193a3f96c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/  
作成日時:2016年4月18日 20時

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