検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:12,068 hit

くのさん ページ4

「いつまで寝てんのよ」



ちゅんちゅん、と小鳥がさえずり朝がやってきた。

朝日を浴びての起床なんて、何カ月ぶりだろうか。


朝日を浴びるということが、これほどにまで気持ちの良いことだったとは・・。


なんて思いつつ、伸びをしながら長い廊下を歩いていれば、前から見えた阿伏兎の隈を作った顔。



「随分お疲れのようだけど・・」

「やっと・・書類が終わったぜ・・」

「あれ、私たち吉原の偵察に来たんじゃなかったっけ。書類なんてやりにきたんだっけ」



私の突っ込みも、おねむの阿伏兎は耳に入れようともしない。

顔面からわかるように、疲労困憊らしい。



「それより嬢ちゃん・・団長起こしてきてくれねェか・・」

「いやよ」



今にもぶっ倒れそうな阿伏兎にそう言い放てば、深いため息が聞こえる。



「・・起こしてこねェっていうんなら、俺の書類作業回すぞオイ」

「ヤケになりすぎよ、阿伏兎」



こちらもため息。

仕方なく踵を返せば、阿伏兎は「悪ィな」と


悪いと思うなら自分で行ってほしいものなのだが。

しかし、書類を回されることの方が御免被る。







そして、冒頭にいたるのだが・・



「いつまで寝てるのよ、いい加減にッ・・」



何度口頭で呼びかけようが完全無視を決め込む神威に、今度は強行突破で起こしてみようと試みれば

力強く握られた手。


思わずドキンと心臓が跳ね上がるものの、どうにかそれをとどめてもう一度神威を起こそうとしたとき



「――行かないで」



寝言の様に呟かれた微かな言葉だったが、静かな部屋にはそれは響き渡った。

跳ね上がった心臓とは反対に、ジクリと今度は痛みが広がっていく。


外面はにこにこして、表情なんかわかりにくい神威。

夜兎の中でも最強と称される神威。


それでも、彼はやはり人と同じ様な心をきちんと持っていて、いつもぶら下げてる張り付けた笑みは、内の弱さを悟られないためか



「・・起きなさいよッ!」



これ以上、自分の気持ちを考えたくなくって、無理やりその手を放せば神威は意外とすんなり起きて来て



「なに?夜這い?」

「朝なんだけど」



心配は無用だったようだ。

くのよん→←くのに



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
92人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神阿(プロフ) - shiyuさん» 楽しんでいただけたようでとっても嬉しいです!ありがとうございました! (2016年7月31日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - ダイヤモンド・プリンセスとこの作品を読ませていただきました!後評価もさせていただきました(^^) とってもとっても面白かったです…!! (2016年7月31日 2時) (レス) id: aae2baa091 (このIDを非表示/違反報告)
真昼(プロフ) - はい!いいご返事期待してます!頑張って下さいね!p(^_^)q (2016年5月6日 22時) (レス) id: 193a3f96c8 (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 真昼さん» 検討させていただきますね!ありがとうございます! (2016年5月5日 22時) (レス) id: 3a209594c6 (このIDを非表示/違反報告)
真昼(プロフ) - 最終話?見ました!楽しかったです!その後が、気になります!続編書いて欲しいです! (2016年5月3日 11時) (レス) id: 193a3f96c8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/  
作成日時:2016年4月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。