第50話 ページ6
＊＊＊
かくかくしかじか、なんてメタい言葉使わないと思ったか? あたしは使うよ、かくかくしかじかありまして。
｢……っはぁぁぁゆうくん可愛かったぁっ……！もうなんなのあのゆうくんから放たれる汗とか仕草とか笑った顔とか全てが最高級の宝物だよぉ……!｣
『……うぅ』
ライブの余韻に浸る隣の人は安定の興奮っぷり。でもあたしは、そんな暇なかった。
＿＿＿頭がガンガンする。フラフラする。
あんなに大きな歓声と音楽を直に聴いたのは初めてだ。
確かに楽しかったけど、あまり好きでもないものをずっと観ていられるかと言ったら流石にギブアップだ。
｢……ちょっと、大丈夫?｣
『頭……痛い……ガンガンします』
｢イベント行ったことあるんじゃなかったっけ｣
『あんなに音の大きいアイドルライブなんて初めてです……かき氷食べすぎたやつよりひどい』
｢女子力の欠片もないねぇ……
＿＿＿＿ちょっとそこで休憩しようか｣
少し歩いて瀬名さんが指を指したそこは、どこかで見たおしゃれなカフェ。
そういえば、と過去に行ったのをふっと思い出した。
｢さすがに俺も連れを見捨てる訳じゃないしねぇ。何か口に入れれば少しは楽になるでしょ｣
今までの人生、こんなカッコイイ人とこんなに近づく事はなかった。否、関わりすら無かったのに、
＿＿＿＿異性に触れられる事もなかったのに。
｢＿＿＿いらっしゃいませ｣
｢2名で。｣
｢かしこまりました｣
乙ゲーを攻略してきたあたしは、ヒロインのパターンがぼんやりと読めてしまう。
弱ったあたしはその流れに乗る事しか出来なかった。
《＿＿＿＿弱ってるヒロインに優しくする男は、好感度が上がりやすい》
*｢好感度｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1041人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とけたた - 初コメです！やっぱりツンデレせないず最高…！このシリーズ見てたら改めてそう思います 私はついさっきこの作品を知ったけど戻って来てくださりありがとうございます！更新楽しみにしてます！ (2021年10月18日 7時) (
レス) @page27 id: 1828f2aa7c (このIDを非表示/違反報告)
ツユカ(プロフ) - 童話さん» ありがとうございます。最近更新遅いのに見てくださって本当に感謝です。頑張ります…！ (2018年4月11日 8時) (レス) id: e56ff2a039 (このIDを非表示/違反報告)
童話(プロフ) - はじめまして。とても面白くてニヤニヤしながら一気に読んじゃいました笑これからも頑張ってください。楽しみにしてます！ (2018年4月1日 13時) (レス) id: f2a324fad5 (このIDを非表示/違反報告)
ツユカ(プロフ) - 那由他さん» なっなゆ…!!!! 最近更新も遅いのに見てくださって本当に感謝です！ありがとうございます…!! (2017年12月20日 13時) (レス) id: e56ff2a039 (このIDを非表示/違反報告)
那由他(プロフ) - にやにやしながら読んでます。やっぱり２も最高です。お身体に気をつけて、更新楽しみにしています。 (2017年12月20日 10時) (レス) id: d1cdc6f44a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツユカ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月29日 19時
