53.神に心を、、? ページ5
A「じゃあ私が見た過去は、、、」
黎斗「あのバグスターが君を惑わすために作った虚映だろうな」
黎斗がにっこりと微笑み、Aの頬に伝う涙を優しく指で払った。その黎斗の指がしなやかに涙を拭い去ると共にさっきまでドロドロと渦を巻く様な胸の奥にあった重苦しさは、不思議と小さくなっていく。
感染ゲージ50%。
黎斗「A、私が必ず君を救う。だから信じて欲しい。私が君を心から愛していた事を。そして今また君を愛している事を。」
黎斗の言葉はあの頃と同じ。
歯の浮く様な甘い言葉ばかり。
だけどあの頃と違うのは、その視線。
今の黎斗は、甘い言葉に甘い視線ではない。
言葉や視線で酔わそうなどという雑念の全くない真剣な視線でAを真っ直ぐに見ていた。
そっと黎斗に肩を抱かれ、背の高い黎斗がAを覗き込む様に顔を近づけ、唇が触れそうな所で止まる。
思わずドキンと大きく胸が鳴りAは顔が真っ赤になったまま固まってしまった。
黎斗「キスしてもいい?」
今度は誘惑の色を隠すことの無い黎斗の囁きに戸惑っていると、Aの返事を待つこと無く黎斗が唇を重ねた。
優しいけれど後頭部をホールドされて抱きしめられる。
クチュっと甘い音を何度も立て、時に少し顔を上げて甘い視線でAを酔わせる。
さっきまで思い悩み、過去の裏切りで失意の底で泣き崩れていたAの心は、黎斗に抱かれ甘い淵でゆらゆらと揺れる。
パラドに見せられた過去を真に受けて錯乱し、消滅寸前になっていた自分を、黎斗はいとも簡単に救い上げてくれた。
恥ずかしい程に冷静さを欠き、ライダー全員を信じられなくなっていたAを優しく諭し、穏やかな気持ちを取り戻してくれた。
黎斗はなんて大人なんだろう、、、
あの頃から黎斗はそうだ。
どんな時も一歩先からAを振り返り優しく微笑んでくれる様だった。
『真実の愛は黎斗さんなのかも、、、』
そう思って次第に深くなる黎斗の口付けに溺れてしまう。
パラドの事も貴利矢の事も思考の隅に追いやられれ、黎斗の腕の中でその甘い愛に溶かされても良いと目を閉じた。
黎斗「、、、たい。」
A「はい?」
うっとりしすぎて黎斗の声が聞こえなかった。何だろうと思って見上げるとにっこり微笑む黎斗と目が合う。
黎斗「君としたい。」
A「はぃ?!」
黎斗「A、今すぐ真実の愛を確かめ合おう!!ぶはははは〜!!」
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うなぎ(プロフ) - 読み返しました。展開も会話も全部おもしろいと思う。打ち切り残念。結末のテーマは壮大な愛か、、、。色んな愛の形だよ。 (2018年5月27日 21時) (レス) id: f7b08b87dc (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 優芽さん» どうもありがとうございます!また次回作、良かったらみてください♪ (2018年5月17日 17時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつも本当にありがとうございます!今回はこんな形でしたがまた次回頑張ります♪ (2018年5月17日 17時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 途中で終わってしまってすみません!!またよろしくお願いします! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
優芽(プロフ) - お疲れ様でした!面白かったです!次回作でも、あえることを願っています… (2018年5月15日 14時) (レス) id: aed56382a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年4月29日 1時