66.どうしてパラドクス ページ18
身長差があるから仕方が無いのだが、階段を駆け下りていくパラドとの差がすぐにひらいてしまう。
それを何度もパラドは振り返ってAを待ち、また駈け下る。
非常階段を何度も何度も回りながら駆け下ると、クロノスへの恐怖と相まって吐き気をもよおしそうになる。
もう何階分降ったのだろう。息があがり、足がふらついて、Aは思い切り転倒して階段を半分転がり落ちてしまった。
パラド「大丈夫か?!」
手と膝を強打し擦りむいて鋭い痛みでなかなか身体を起こせないAにパラドが駆け寄り抱き起こした。
顔を上げて見たパラドの顔があまりに真剣で、Aは思わずギクリとなる。
パラドの丸い目がすぐ近くで真っ直ぐに自分を見ていた。
A「だ、、大丈夫!ごめんね」
そう答えてもパラドに抱き起こされて見つめられたまま。
Aの息が荒いのは階段を駆け下りていたせいなのに、暗い非常階段でパラドにこんな風に見つめられると、このシチュエーションにドキドキして息が荒いのかとおかしな錯覚を起こしてしまいそうになる。
パラド「クロノスからは俺が絶対守る」
A「パラド、、?」
パラド「お前を絶版になんかさせない」
どうしてパラドはそんな事を言うんだろう、、、Aは不思議な感覚でパラドの顔を見上げていた。
ただゲームを楽しむために自分達をもてあそんでいるだけだと思っていた。Aの命なんて仮面ライダーを本気でゲームをさせるためだけのアイテムくらいにしか思っていないと思っていたのに。
そう思っていると、そのまま抱き締められてパラドの唇が重なる。
このゲームエリアに連れてこられて最初にされたキスとは全く違う。
優しくて触れるだけのキス。
パラドが顔を離してもまだ唇に残る優しい感触に、Aは思わず自分の指でそっと触れて何が起こったのか心と頭を整理しようとした。
パラド「A、俺は、、、」
パラドが真剣な顔のまま何かを言おうとした時、すぐ上の階のドアを蹴破ってバグスター達が現れた。
パラド「行くぞ」
パラドはAの腕をひくとまた階段を駆け下りる。オレンジのバグスター達に追われながら階段を下りきって一階のドアを開けて外へ出た。
これで地上へ降りられた。さぁ逃げよう。そう思ったが、
パラド「何でだよ?!」
地上だと思ったのに、そこはビルの屋上だった。
そしてそこには檀正宗が立ち、笑いながらパラドとAを見ていた。
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うなぎ(プロフ) - 読み返しました。展開も会話も全部おもしろいと思う。打ち切り残念。結末のテーマは壮大な愛か、、、。色んな愛の形だよ。 (2018年5月27日 21時) (レス) id: f7b08b87dc (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 優芽さん» どうもありがとうございます!また次回作、良かったらみてください♪ (2018年5月17日 17時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつも本当にありがとうございます!今回はこんな形でしたがまた次回頑張ります♪ (2018年5月17日 17時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 途中で終わってしまってすみません!!またよろしくお願いします! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
優芽(プロフ) - お疲れ様でした!面白かったです!次回作でも、あえることを願っています… (2018年5月15日 14時) (レス) id: aed56382a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年4月29日 1時