姉妹仲 ページ30
.
俺は自然と、真依の頬にそっと手を当てがった。何だか彼女の瞳から涙が溢れてしまいそうな気がしたから。
すると、彼女は吃驚したかの様に肩を跳ねさせ、こちらを見つめてきた。そこで自分が不謹慎な事をしてしまったと気付く。
「っえ、」
『ぁ……すまない、なんだか真依が泣いてしまうのではないかと思ったら自然と…許可なく勝手に女性の体に触れてしまったな、謝罪する』
「い、いや!だっ大丈夫よ……!」
手を離すと、彼女が少し寂しそうにしたのが引っかかったがずっと触れているのも如何な物なので頬から手を離す。
視線をもう一度辺りに逸らし、彼女に目線を外しながら言った。
『……それと、真希はしっかり呪術師の姿をこなしているよ。真面目で、強くて、誰よりも努力家だ。見習いたいくらいにな』
「!」
『姉妹仲は知らないし、勿論のこと干渉もしない。ただ少しだけ、あいつの事を認めてやってくれると嬉しい』
「……。」
………彼女からの反応は無かった。
それにちらりと彼女を横目で見るが、表情はよく見えない。だが何となくだけど…何と言えばいいのか分からないとでも言う様な顔をしているように見えた。
(やはり複雑な事情が_____)
『___っ!!』
その瞬間、彼女の背後にデカめの呪霊が影からぬっと出てきて立ち聳えたのが見えた。
『真依!』
だが焦ってはいけない。あくまで冷静に。頭で素早く判断して__グイッ、と彼女の体を自分に寄せた。
『……頭守ってろ』
「っ!?へ、」
抱き締めるようにして彼女の体をぎゅっと包み込み、少しでも呪霊から遠くなるようにする。
そして咄嗟のことに反応できなかったのであろう呪霊に、呪力の篭った小刀で袈裟斬りにした。
「ひょぅ"っ、う"ぁぁぁぁ!!!!!」
『っち、』
煩い上に血が飛んできて汚い。精神的に顔に付着するのは嫌だったから腕で庇ったのだが…腕に付着しただけでも不快感が凄いな……。
いやだってなんか温度とか生温いし。色も紫だし。もう少し綺麗に斬れば良かった。
「っえ、ぁ……呪、霊…?」
『!真依……あぁ、そうだ。重ね重ね済まないな。急に抱きしめてしまって…だが呪霊は祓ったから、』
「べっ、べべべべべべべ別に!!!?」
『?お、おい真依どうした?故障したロボットみたいになってるぞ……?』
ー
4437人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルーナ(プロフ) - 泉くんが大好きです!更新待ってます。頑張ってください! (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
つぢ - もうこの作品好きすぎて何度読み返したことか....更新待ってます!!無理のない程度に頑張ってください!! (2022年5月27日 0時) (レス) @page39 id: 544f7ac71d (このIDを非表示/違反報告)
わをん - わぁお…神作品に出会ってしまった!!!(?)3秒で全話読みましたね!!はい!!(??)これからも更新頑張ってください! (2022年4月11日 17時) (レス) @page39 id: 4f85a5269a (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - ばななさん» 有難う御座いますー!天才だなんてそんなっっっ、ご冗談が過ぎますわよ奥様……っ!!男主君褒めてもらえるのめちゃくちゃ嬉しいですw!乙骨くんも真依ちゃんも上手く書けていれば嬉しいですねw更新頑張ります! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - れいさん» 男主君はただただ性格がイケメンであって欲しいんですよね……男前!って感じのねwこれからもどんどん愛されていきますので宜しくお願いしますw! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:実珠 | 作成日時:2022年1月7日 20時