五十 ページ13
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ビルに入って数分経った。今剣は腕に包帯を巻き、弱々しく微笑んでいる。大分回復したようだが薬研によると未だ治るのに時間はかかるらしい。
「手入れ部屋なら直ぐに終わるんだがな……。此処じゃあ簡単な措置しかできん」
「十分ですよ。此方はそろそろ探偵社の方に向かわないと」
何時も十七時には顔を出すようにしているが、今はもう十九時だ。検非違使の出現。今剣の怪我。色々と重なってしまった。
だが薬研たちや小狐丸さん、石切丸さんと再会できたのは幸運だ。
「そういえば二人とも如何して此処に?」
「遠くから声が聞こえてね。明らかに非常事態という感じがしたから慌てて駆けつけたんだ。案の定皆がいて安心したよ」
続けて質問しようとしたとき、外から声が聞こえ、窓からこっそり外を覗いた。警察が懐中電灯を片手に辺りを探索している。付近の住民が通報でもしたのだろうか。
「……ビルに入ってくる前に逃げましょう」
短刀たちは裏手の窓から身軽に飛び降り続いて鶴丸さん、今剣を担いだ岩融さんが降りた。小狐丸さんと石切丸さんが恐る恐るといった様子で降りる。
「此処、二階ですよね。下手したら死ぬかも……」
刀剣男士たちのように直ぐ降りることができるわけではない。困っていると三日月さんが手を差し伸べた。
「主、掴まれ」
「……絶対落とさないでください。落としたら一生恨みます。長谷部さんにも云いつけますから」
「はっはっはっ。それは怖いな」
背負われて降りた。三条の中でも華奢な三日月さんだと矢張り安定しない。次にこういうことがあったら岩融さんに頼ろう。
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織川(プロフ) - カティさん» ありがとうございます!こちらでもよろしくお願いします! (2018年3月27日 12時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
カティ(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 0319e8dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - ななこさん» ありがとうございます!更新がんばりますね……! (2018年3月22日 20時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 続編おめでとうございます!新着確認したら見つけたのですぐに飛んできました!更新頑張ってください! (2018年3月22日 20時) (レス) id: d4cba68423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:織川 | 作成日時:2018年3月22日 20時