一話 ページ1
ざわつく教室。
痛いほどに注がれる俺への視線。
父親の転勤を理由に俺はこの高校に転校してきた。俺は何度もこの状況を経験しているが、これから先も慣れる事はないだろう。
転校生がそんなに珍しいのであろうか。俺はあまりの騒がしさに耳を塞ぎたくなるのを抑え、名を名乗った。
「
声を発した瞬間の静寂。やはり俺はこの状況が苦手だ。パチパチと疎らに拍手が起こる。あまり歓迎されていないように感じた。女の子じゃないのかよ、なんて声も聞こえて。男で悪かったなと心の中で悪態をつきつつ俺は、先生に指示された席へと腰を下ろした。
一番後ろの窓際。隣は金髪の綺麗な顔立ちをした少年だった。何故かじっと見つめられるが、俺は直ぐにぱっと視線を外した。
♢
「趣味とかってある？」
「彼女いたりする？」
お約束のように俺は休み時間に机を囲まれた。どこの高校から来たの？とか、部活は何に入っていたの？なんて。小さく俺は溜息をつき笑顔を貼り付け、次々とぶつけられる質問について返答を続けた。
「どけどけー！」
大勢に囲まれる中、人混みをかきわけるように金髪の少年が現れた。あぁ、隣の席の奴か。大きな瞳、すっと通った鼻筋。やはりとても綺麗な顔立ちをしていた。
可愛らしく笑顔を浮かべ、彼は俺をじっと見つめた。俺もつられるように彼を見つめる。無言で見つめ合うこと数十秒。金髪の少年は「やっぱり」と小さく呟いた。周りの者は「またかよー」なんて笑顔を零していた。
「俺さ！ お前の顔すげえ好き！」
待て、何を言っているんだこいつは。俺は自然と首を傾げていた。綺麗な顔をした少年は確かに「顔が好き」と、そう言った筈だ。突拍子もないことを言った筈だが、やはり周りの者は特に気にする様子もないようである。
ただただ彼を見つめ呆けることしか出来ない俺の頬に触れ、少年は綺麗な金髪を揺らしてこう言った。
「だから、俺と付き合って！」
俺は転校初日に面食いの男に告白された。
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青猫(プロフ) - 全然待ちますよ！作者さんのペースで大丈夫です！( ´▽｀) (2021年7月23日 14時) (
レス) id: fe631de70d (このIDを非表示/違反報告)
はたらま(プロフ) - 青猫さん» 更新の度コメント下さり有難う御座います！更新が遅くて本当に申し訳御座いません。今後少しずつ更新頻度を上げていこうと思っておりますので、気長にお待ち頂けると幸いで御座います。 (2021年7月23日 13時) (レス) id: 99dee8af5b (このIDを非表示/違反報告)
青猫(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2021年7月23日 11時) (レス) id: fe631de70d (このIDを非表示/違反報告)
はたらま(プロフ) - 青猫さん» 更新する度に青猫様からコメント頂けて更新の励みになっております。有難う御座います。あまりに遅い更新では御座いますが、今後もご愛読頂けると幸いです。 (2020年11月2日 23時) (レス) id: 99dee8af5b (このIDを非表示/違反報告)
青猫(プロフ) - 通知きたとき叫びました！w忙しい中更新ありがとうございます！(*´∀`) (2020年11月1日 17時) (レス) id: fe631de70d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はたらま | 作成日時：2016年8月12日 11時
