二話 ページ2
「……いや、無理だけど」
「え! なんで!?」
何故こんなにも驚くことが出来るんだ。逆に付き合えると思っている方が異常ではないのだろうか。そう思い周りの者を見渡す。
「あーあ、振られちゃったな」
「俺思ったもん。幸が好きそうな顔だなって」
笑い声を漏らし彼らは雑談を始めていた。幸と呼ばれる少年の頭をがしがしと撫でる者や、「今回は流石に無理に賭けるわ」等と言いつつ賭けを行う者もいた。よく分からないがこの空間では俺が異常なようだ。
頬に触れた手を離すことは無く、振られてもなお笑顔でこちらを見詰める幸という少年。彼のことはよく分からないが、取り敢えず面食いであることは確かであろう。
ニカッと笑ってみせる彼を見つめつつ、俺は頬に当てられた手を払った。
「俺、別にゲイじゃないし……」
「俺だってゲイじゃないよ! どっちかっていうとバイ寄り? かなぁ」
「俺バイでもないって。普通に異性が好き」
それでも構わない。そう言いたげに彼は笑顔は崩さずにいた。なかなかハートが強いようだ。今回も頑張れよ!応援してるぞ!と声を掛けられている様子から、俺にしたように声を掛ける回数が多いことが分かる。人を好きになることは悪いことではないとは思うが。
あぁそう言えば、と小さく零せば明るく大きな声で自己紹介を始めた。
「俺、
思わず溜息が溢れた。勿論、一度振られたにも関わらず二度目の告白をする桜井にだ。
俺よりも少々小さい手に力強く手を握られた。ひょろい見た目のわりに力は強いようで、俺は少しの痛みを感じた。綺麗な顔して物凄いことを言う彼に俺は苦笑いを見せることしか出来なかった。
チャイムが鳴り響く。机を囲んでいた生徒達は雑談をしつつダラダラと着席し始めるが、桜井は戻ろうとせず俺の手を握ったままで。いい加減戻れよー、なんて周りに言われるが聞く耳を持たず。
「……戻れば?」
「うん!」
俺が声を掛けるとぱっと手を離し素直に着席した。何故俺の言う事は聞くんだ。転校初日にこんな奴に好かれるなんて最悪だ。
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青猫(プロフ) - 全然待ちますよ!作者さんのペースで大丈夫です!( ´▽`) (2021年7月23日 14時) (レス) id: fe631de70d (このIDを非表示/違反報告)
はたらま(プロフ) - 青猫さん» 更新の度コメント下さり有難う御座います!更新が遅くて本当に申し訳御座いません。今後少しずつ更新頻度を上げていこうと思っておりますので、気長にお待ち頂けると幸いで御座います。 (2021年7月23日 13時) (レス) id: 99dee8af5b (このIDを非表示/違反報告)
青猫(プロフ) - 更新ありがとうございます! (2021年7月23日 11時) (レス) id: fe631de70d (このIDを非表示/違反報告)
はたらま(プロフ) - 青猫さん» 更新する度に青猫様からコメント頂けて更新の励みになっております。有難う御座います。あまりに遅い更新では御座いますが、今後もご愛読頂けると幸いです。 (2020年11月2日 23時) (レス) id: 99dee8af5b (このIDを非表示/違反報告)
青猫(プロフ) - 通知きたとき叫びました!w忙しい中更新ありがとうございます!(*´∀`) (2020年11月1日 17時) (レス) id: fe631de70d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はたらま | 作成日時:2016年8月12日 11時