放課後の教室

放課後16 ページ16

「時間になった。森長章介、ボタンを押せ」


「っ…はい。」



その場に、立てない章介は私の隣でボタンを押す形になった。
変わりに、前にいた優太が立ち上がり何かの場面に備えていた。

今、一番頼れるのは彼だ。




章介がボタンを押す。
その、瞬間聞こえたのは…









〝女子の声〟



バンッッと音が聞こえて、目を向けた時…



誰かが私の目の前に来て
手で目を隠していた。

前は真っ暗で…何も見えないけど、

血の匂いが鼻をつく。




そして人の叫び声。




「あい”い”い”！！！！！」




まことの声だった。

呼ばれている本人からは…返事がなかった。






…まさか。

一つの考えが頭をよぎる。


『お前ら自身が爆発するのが２つ』


〝声〟が言っていた…。






愛は…死んでしまったの？

愛の姿をしっかり見ていないのに。
涙が出てきて…それは止まることなく落ちていった


目の前が明るくなる。
次に見えたのは、男子用の白いワイシャツ。

視界はそれで埋まった。



「…ゆう、た？」


「…あぁ。」



優太は、〝あの場面〟を私に見せないように、手で目を隠し、泣いてしまった私を抱きしめた

その時も愛の姿が見えないように。




「っ……あいっ…あい、……ああああ！！！」






スピーカーから聞こえた音は私の叫びによってかき消された。

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