放課後の教室

放課後17 ページ17

優太とまことが、愛の血をタオルで拭き取り、愛本人にタオルをかけた。


そして手を洗い此方に向かってくる。



私は、あれからずっと泣いてて…。
何も、できなかった。



全員で脱出しよ。




この言葉は、叶わなかった。
神様はなんて卑怯なのだろう。



「A、大丈夫か？」


「っ…うん。大丈夫…」


私の頬を触り涙を拭いてくれる優太。
その手は少し濡れていて冷たかった。





「まさか、あんなことになるなんてな。」


ボソッと呟いたのは隣にいた章介。


その言葉に、一番に反応したのは




愛の…一番側にいた、まことだった。



「てめぇ、何他人事みたいに言ってんだよ！殺したのは〝お前〟だろ！？」



まことが章介の胸ぐらを掴み怒鳴った。




「お、落ち着いて…」


あたしが声をかけるが



「なんも役に立ってない奴が口出すな。」



こんな言葉をかけられて、何も…言い返せなかった




…そう。あたしは、なんの役にも立たない。
さっきから心配かけてばかりで、いる意味なんて全くない人間。


知ってたけど。正面向かって言われると流石に傷ついた。




「Aに謝れ。」


「は？」



そう言ったのは、優太だった。
なんでいつも…庇ってくれるの？





「こんな状況で、しかも女の子で、泣かない奴なんかいねぇだろ！…愛だって泣いてただろ！？それを一番分かってんのはまことじゃねぇのかよ！」



「っ…！」


「悔しいのは分かってる。でも、殺したのは章介じゃねぇ。…そうだろ？」


優太の問いにまことが俯く。









「…けど俺は許せねぇよ…」

放課後18→←放課後16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す