教えて、七海先生。 ページ14
一日が経った。
今日はテストを返される日。
やれるだけのことはやった。後は結果を待つだけだ。
教室に着くと、既に野薔薇がいた。早いな〜偉い。
「おはよ、A」
『おはよう。テスト返されるの怖いね』
「まあ、吹っ切るしかないわよ」
『そうだね』
そう言って、私達は笑い合った。
『一応、昨日のテストでわからないなーって思ったところは復習したんだ』
「うわ、偉っ。よくそれで成績悪いわよね」
『それ褒めてんの?』
野薔薇と会話を交わしていると、後ろから足音が聞こえてきた。
なんとなく、誰かはわかる。
「っはよ」
『おはよう、恵』
「はよー」
恵はそそくさと席について窓の外を見つめている。
何考えてんだろうな。
「…で、そういえばA、七海先生とはどうなのよ」
『えっ』
突然その名前が出てきて思わず大きく反応してしまう。
あれ、どうしてこんなに意識してるんだ、私。
野薔薇は小さい声で言ってたのにな。
『何ともないって』
「えー?本当に?」
野薔薇はニヤニヤしている。やめいやめい。
まだそんなんじゃないし?まだ好きじゃないし!
「おはようございます」
『ヒェッ』
今週2回目。また変な声出た。まあ明らかに私の隣にいる人のせいなのはわかる。
七海先生。
七海先生ってこんなに突然現れる人だったっけ?
『おおお、おはようございます!』
言葉詰まりすぎでしょ、私。と自分で自分にツッコミをいれる。
「…?おはようございます」
七海先生は不思議そうに私を見た。そりゃあそうか。
「出席をとります」
あれ?もうそんな時間だっけ?
時計を見ると、もうそんな時間だった。
だとすると…。
「虎杖君は休みです」
やっぱり。
悠仁休みかぁ。今日、五条先生のノリに乗る人私だけじゃん。まあいいか。
悠仁のことを考えながら、朝のひと時を過ごした。
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作者名:紗由紀 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sayukinopurofu/
作成日時:2022年4月29日 21時