【薄桜鬼】俺の嫁さん 弐

其の参拾壱 ページ1

とある早朝。
朝日が屯所全体を照らす。
雪村は、朝日の柔らかな暖かさを背に感じる。

そろそろ皆、起きてくる頃合いだろう。
朝餉の支度に一区切り付けたところで、雪村は一休みといわんばかりに、伸びをする。
そして軽く首の凝りを癒すと、一息ついた。



｢んー…」

｢っと｣



ふと、後方から聞こえてきた声に雪村はとっさに振り向いた。

雪村の視線の先には、Aを支えた平助の姿。



｢A…ちゃん？」

｢おあ、千鶴。おはよー…｣



支えている、とはいえAは平助にほぼ身を預けてしまっているので、抱えているといっても過言ではない。



「Aー。もう朝だぞ?」

「んぅ…」



平助はAに優しく声をかける。
しかし、Aの目はとろんとしており、平助の問いかけが聞こえているのか分からない。

それがなんとも色香を含む。

Aは潤んだ瞳で平助を見上げている。
見れば、平助の頬はほんのり紅く染まっている。




「あらら、今日は一段と酷いね」

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ハッピー声優

桑島法子

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