オレカ×ボカロ (ページ1)

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星の騎士ライト×エイリアンエイリアンページ1

遠い遠い昔、オレは幼い星に降り立った。誰がオレを呼んだのかはいまだに分からないが……それでもオレは寂しいと呼ばれ、降り立った。
その星は寂しいところだった。幼く熱を持っていた星は、「寂しい」「寂しい」と涙と共に繰り返していた。
その星の孤独な帝が望んだから、オレは星に光を与え、命を産み出した。

そして今、オレは再び幼かったその星に降り立っていた。誰がオレを呼んだのかは、今度も分からなかった。けれど降り立った先でオレは悩む。オレを呼んだ奴が現れない。
揺れる感情。寂しいという言葉が勝手に口を突いて出ていく。
そんな時、オレはオレと同じように行き先を失った誰かに出会った。
オレは彼の帝以来の友人を、その星で得た。

そいつはアヴァドンっていう名前らしいんだが、どうも昔は違う名前だったらしい。王子だったとかなんだとか。
けどアヴァドンはどう見たって魔王とか悪魔とかの姿をしてるし、王子だったと言うけどその面影はない。

コミュニケーションは上手く取れない。言葉を交わすことも殆どできない。
けどオレはこれでも星の騎士。言葉がなくても意思疏通くらいはできるんだ。

オレはアヴァドンの頼みを聞きながら、彼が昔居たって言う王国を目指してみた。

アヴァドンにとって、オレの態度は新鮮だったらしい。けどオレからすればアヴァドンはオレの友達で、見た目とかはどうでもいい。
人にとって大切なのは心で、アヴァドンはオレに対して誠実だったから、オレもアヴァドンには誠実に接するんだ。

煙を上げる王都。
傷跡の消えない家々。
魔王の、邪神の手が迫る。

「……なあライト、オレ、ずっと、一つだけ、隠し事をしてたんだ」

元の姿に戻ったアヴァドン……いや、マルドクが言う。オレに問いかける。

「お前はオレのしたことを知って尚、オレの友達で……居てくれるか？」

オレはエイリアン、お前の友人。
お前は一度狂ったことがあって、狂気をいまだに恐れてた。
お前はメソタニアの王子、オレの友人。
オレは色んな世界を見たことがあって、誰かに呼ばれてここに来た。

オレはエイリアン、この星への異邦人。
一度付いてしまった傷は確かに癒せない。けど傍に居ることはできる。

お前はエイリアン、オレの心への異邦人。
お前がもしもオレに許してほしいと願うなら、オレは誰がお前を責めようとも、お前のことを許そう。

オレはこの星への異邦人。
お前が許されオレがこの星から離れたとしても、オレは……。

友達だ。