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奏多を抱きながら、五条の嫁バカ発言オンステージが始まる予感を察知して
「自己紹介が遅れました。改めまして、五条悟の妻でAと申します」
Aは牽制を込めて先に言葉を発した。
「虎杖悠仁っす。好みのタイプはジェニファー・ローレンスです」
「伏黒恵です」
「釘崎野薔薇です。Aさんって呼んで良いですか？」
夫から話は聞いていたが、二年に負けない個性派揃いに
(私もこうだったのかなぁ…)
などと、昔を振り返ってしまった。
「ふふっ、好きに呼んで。私の可愛い後輩さん達」
一年達を、姉のような心境で見る。
その眼差しを受けた三人は
(((うっっわぁ……五条先生が会わせたくなかったのが何となくわかった気がする)))
同じ感想を胸の内で呟いた。
五条の妻で一児の母と知らなければ、今の笑顔で惚れる自信が三人にはあった。
命知らずなら、わかっていても惚れるかもしれない。
「所でA姉、今更だけど走って大丈夫だったのか？」
そんな三人にお構いなく、真希が心配そうにAを見る。
「大丈夫よ。パンダが居てくれたから安心して走れたもの」
「走ると何かマズイ事があるんですか？」
野薔薇が訊く。
一見して、体が悪そうには思えなかったので。
(まあ、今着ているミントグリーンのワンピースは、かなりゆったりしているから走り難そうだけど……)
先程思いっきり走っていたから、動けない訳ではないのだろうが。
野薔薇の疑問の答えを、夫妻はアッサリ言った。
「A、今二人目妊娠中なの♡」
「ちなみに臨月です」
「「「それは走っちゃ駄目でしょ！！！」」」
一年生の叫び声が再び揃う。
万一転倒していたらと思うだけで、背中から冷や汗が流れる。
ゆったりした服はその為だったのか。
「かーたん、めーっ！」
奏多も一緒に母を叱る。
「いや、元々はかーちゃんから離れて冒険していた奏多のせいだからな？」
流石の悠仁も、やんわりとだが奏多を叱った。
「五条先生…夫なんですから真っ先に止めて下さいよ」
伏黒は真っ当な事を言ったのだが
「Aは僕かパンダか学長が一緒でなければ走らないから大丈夫。それに……」
少し間を置いて五条は続ける。
悪戯っ子の笑みを浮かべて。
「僕の奥さんが並の女の子と同じに思える？」
その言葉は、妙な説得力があった。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
