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プロポーズから二日後に、夜蛾が出張から帰って来た。
五条とAは早速、近々入籍する事を伝えた。
そして婚姻届の証人欄に、夜蛾の名前を書いて欲しい事も告げる。
因みに、もう一人の証人欄は硝子に頼んだ。
彼女は喜んで昨日サインをしてくれた。
「そうか、結婚するのか」
そう言ってから、夜蛾はサングラスを外して目元を手で覆う。
「悟が、とうとう初恋を実らせたのか……」
一年近く、硝子と共に二人の恋路を見守って来たからこそ、嬉しいのだろう。
鼻声で言ったので、本気で泣いているのがわかった。
サングラスをかけ直してから、Aに向かって
「証人のサインは任せろ。こんな問題児だが、悟を頼んだぞ」
手のかかる息子を持つ親のような事を言う。
その言葉に
「学長〜。そこは僕にAを頼む、でしょ。お嫁に貰うのは僕なんですから」
五条はツッコミを入れたが
「お前の嫁になるからだ！万年問題児のお前を夫にするのは大変だからな」
至極尤もな返しを受けた。
身に覚えが結構あるので、五条も反論出来ない。
「おじさま、お任せ下さい」
夜蛾の心配を払拭するようにAは言う。
「病める時も健やかなる時も、悟さんが問題行動を起こした時も、共に在って悟さんを愛し続けます！」
……結婚式での宣誓のようになってしまった。
言った本人は真剣で、寧ろ五条の方が照れてしまう。
その言葉に夜蛾は「そう言えば…」と声を出した。
「式はどうするんだ？五条家の子息と養女の結婚なら、色々とやる事があるだろう」
半年程前に渡した絹花のブーケ。
夜蛾としては使って欲しいが、機会があるかどうか……
「結婚式自体は、五条家とAの生家の刻刃家だけで集まってやる事になるでしょう」
五条家の結婚式は神前式で、昔から身内だけで集まって、盛大にはやらないらしい。
(やはりブーケは使われないか……)
内心少しガッカリした夜蛾に、Aはにこやかに告げる。
「大丈夫ですよ、おじさま。頂いたブーケにもしっかり出番を用意するつもりでいますから」
「……？」
どういう事だと視線で語る夜蛾を見てから、五条とAは顔を見合わせて微笑み合う。
二人の笑顔の意味を知るのは、もう少し先の事。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
