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「…A？」
どのくらいの時間、お互いに求め合ったのだろう。
「すー……」
Aは気を失うように眠ってしまった。
(初めての相手にがっつき過ぎた……)
その自覚は五条にもある。
(でもなぁ……)
先程までの事を思い出す。
初めての行為に、恥ずかしそうにするA。
その姿に理性を呼び戻され、何度か途中で止めようとした。
しかしその度に
『やめないで……』
切ない声で続けて欲しいと言われた。
その時のAは、筆舌に尽くし難い色香を放っていた。
『嫌じゃないの…もっと悟さんを感じたい』
そう言われる度に、五条の理性はグズグズに溶かされていくのだった……
(あんなに可愛いおねだりされたら自制なんて無理！！)
無自覚で天然な色気の怖さというものを、初恋の相手で漸く知った。
今のAは、幸せそうな顔で眠っている。
あの色気のある姿をもっと見たい欲が湧いたが、今夜はもう休ませてあげなければならないだろう。
五条は体を起こして浴衣を羽織り、Aの汗で濡れた体をタオルで清める。
自分の体も軽く拭いてから、Aを抱き締めて掛布団をかぶる。
Aも寒かったのだろう、眠りながら五条にすり寄って来た。
「…やっと全部手に入れた」
初恋の子の恋心を、唇を、そしてより深い関係を。
女遊びをしていた時には無かった、行為の後の穏やかな気持ちが、自分が今満たされている事を教えてくれる。
Aだから、本当に好きな相手との事だからこそ、幸せで満たされる。
(結婚……一日でも早くできるように頑張ろう)
結婚はAが高専卒業の後でも良いと思っていた。
しかし、煽られたからとはいえ、手を出した今はすぐにでも夫婦になりたいと欲が出た。
五条もAも一級以上の呪術師だから、経済的には問題無い。
腕の中で眠る恋人を一日でも早く自分に縛り付けられるのならば、喜んで行動を起こそう。
(取り敢えず、まずは正式な婚約からかな)
大まかな将来設計を立てていたら、段々と眠くなり……
好きな子の香りに包まれる幸せを感じながら、五条は目を瞑る。
愛しい少女に寄り添い、その腕の中で眠っている小さな子供を見ながら微笑み合う光景を夢に見た。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
