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四十二輪 ページ43

向かった先は職員室


「先生…!」


「どうしたの、川田さん?」


いつもとは違う様子の私に先生は少なからず驚いているようだった


「緑間…くんが秀徳高校に進学するって本当ですか?」


私の言葉に先生は眉を顰めた


「…その質問には答えることはできないわ。私は緑間くんの担任ではないし、彼の進学先を知っているわけではないの」


「…じゃあ、秀徳高校の監督が彼のことをスカウトしに来たっていうのは?」


「それは本当よ。でも小耳にはさんだ程度だからはっきりとは言えないけれど」


どうしよう


どうしよう


彼と同じ高校になったら別れた意味がない


同じ高校に通っているという事実はきっと私を苦しめる


もうこれ以上彼のことを考えて苦しみたくない


彼のことで泣きたくない


彼の変わってしまった様子を見たくない


どうすればいい?


「……先生」


彼と離れる方法


混乱する頭で導き出した、浅はかな考え


自分勝手で青臭い考え


「うん?」


不思議そうに問う先生に私ははっきりと言った









「私、秀徳高校の推薦を辞退します」

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作者名:ルナ | 作成日時:2014年6月28日 16時

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