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三十三輪 ページ34

日が伸びた最近は午後六時になってもまだほんのりと明るい


「進路かー…」


そう呟きながら校門まで歩く


今まで考えてこなかったわけではない


それなり高校の見学に行ったり、華道の先生に勧めてもらった進学説明会にも行ったし


でもどうもピンと来なかった


受験生の自覚が足りないってことなのか


「…?」


遠くで声が聞こえた


そろそろ部活だって終わる頃合い


それなのに声がするなんて


声がする方へ歩を進めていく


歩きながら思った


きっとたどり着くのは体育館だって


確固たる自信みたいなのが私にはあった


「やっぱり…」


案の定たどり着いたのは体育館


そしてそこで練習をしているのは我が帝光が誇るバスケ部の一軍


緑間を待っている時に少しだけ見学していたことがあったけど、ハードな練習をしているのには変わりはないみたいだ


「あれ……?」


でもどこか違和感を感じた


みんな真面目に練習してる


でもどこか殺伐としてる


なんかノルマをこなしてるだけ、みたいな


そんな印象を受けた


それにキセキの世代、だっけ


あの校内有名人が何人かいない


休み…?


でもあの背の高い、紫原だっけ


その人は同じクラスだし、教室にもいた


「まさかサボり…?」


自分の呟いた言葉を慌てて頭の中で否定する


そんなわけない


仮にも一軍で、他の選手の気持ちを背負って試合に出場している人たちがサボりなんて


そんなことを監督が許すはずがない


「あのどうかしましたか?」


控えめな声が後ろから聞こえた

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作者名:ルナ | 作成日時:2014年6月28日 16時

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