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十九輪 ページ20
翌日
朝起きて見た自分の指はこれでもかってくらいに腫れていた
どう見てもピアノが弾けるようには見えない
(どうしようかな…)
今から代役を見つけるなんて不可能に近い
本番までもう二日しかないのだ
何より自分で伴奏できると言ってしまった以上、やり遂げなくては
「でもこれで弾けるかな…」
私の担当する自由曲は正直難しい
はじめは和音を弾いているだけで良いのだが、問題は後半
曲のクライマックス直前の間奏で難しい和音の羅列が続くのだ
それをこの指で弾くなんて…
とてもじゃないけど不可能だ
「かと言って今更投げ出すなんてできないし…」
昨日、大丈夫だと答えた時のクラスメートの表情
私が伴奏できることを疑っていなかった
(やってみるしかない)
余計な邪念を振り払うように私は家の扉を思いっきり開けた
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作者名：ルナ | 作成日時：2014年6月28日 16時
