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「(少し波が荒れてきている…)」


はじめの頃より、海の様子に少しの変化を察して空を見上げる重。遠くの方に目線を向ければ灰色の雲が此方に向かって進んできていた。


「舳丸の兄貴、海の天候が…」

「あぁ、波が荒れてきているな。急いで引き上げた方がいいようだ」

さすが海賊と言ったところか、舳丸も海の変化に気づき重の言葉に頷きくの一の生徒たちに声をかける。

「くの一の生徒の皆さん、海の天候が悪くなって来たので一旦陸に戻ります。なので船に乗ってください」

「焦らず、順番に乗ってくださいね」


「「はぁい」」

「ねぇ、波がだんだん高くなってない?」

「やだ、本当…怖いわぁ」


海へ入ったのと同様に船に乗った重が1人1人手を貸して引き上げる。舳丸も辺りを見渡し声をかけながら船の方へ誘導させる。こうしている間にも打ち寄せてくる波はだんだん高くなっていき空もだんだんと灰色の雲が漂っていく。

早く陸へと船を出すために全員揃っているか確認した時だった。1人の生徒が声をあげた。


「あれ、愛子ちゃんがいないわ…っ」

「えっ…?!」

「なんだって…?!」

その声に重と舳丸が焦った声を出せば、残りのくの一たちがザワザワと騒ぎ出す。


「やばくない…?もしかして、溺れてるとか…」

「ちょっと!やめてよ縁起でもない…っ!!」

「ミニゲームの時までは一緒にいたわよね」


「皆さん!落ち着いてくださ…」

「あぁ!!見て!!あそこ!!アレ、愛子ちゃんじゃない?!」


不安がるくの一たちを落ち着かせようとした重の言葉を遮るように1人が大声で言う。その指差す方を見れば息を吸うために顔を出した愛子がおり、波に揺られていたのである。


「まずい!!あんな遠くに…!!」

「重!俺が連れてくるからお前は船を出して皆さんを陸に運んでくれ!!」

「へい!!」


海の中へ飛び込んだ舳丸。頷いた重は命令通りに船を漕ぎ出す。一方、陸の方の海賊たちも海と空の様子に気付きはじめ少し慌ただしくなっていた。陸チームのくの一たちはあまり気にしていないようだが菊華は何やら胸騒ぎを感じ海賊たちの会話に聞き耳を立てる。


「おい、天候が変わってきたから海に出てる船を引き戻した方がいいんじゃないか?」

「あっちには舳丸や重がいるから大丈夫だろう」

「それより、残りの船を引き上げておこう。万が一流されたら大変だ」


『(会話からして海での授業はなくなるな…)』


再び愛子の方を見れば船が戻ってきていた。だが、何か違和感を感じる。

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ひょぎ(プロフ) - すごく面白いです!主人公の設定が私の好みです! (2023年4月25日 0時) (レス) id: c91982745d (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - Megumiさん» 忍たま小説書いてます!良ければ一度見に来てください! (2021年6月1日 22時) (レス) id: 432cdd0ce8 (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - とても面白かったです!続きがとても気になってます!ぜひお願いします! (2021年6月1日 19時) (レス) id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とても面白いです!!お願いです、更新して下さい!!お願いします!! (2020年9月27日 17時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
obipurei(プロフ) - おもしろいです!更新してくださるのを期待してます!! (2020年2月14日 18時) (レス) id: 186218a2f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作之助 | 作成日時:2016年5月12日 0時

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