自由に生きようよ、ね【ONEPIECE】 (ページ48)

今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:2,536 hit

４７話　過去②ー４ページ48

─ノースside─

全力疾走のまま止まれなかったルフィを正面から抱きしめてルフィを追いかけていた狼(今気付いた)に目を向ける。突然の私の登場に警戒してる狼はすごく怒ってる。

『この子は私の大事な弟だから、おそわないでほしいな』

「ノース！！今のっ、むぐっ！」

『ルフィ、しーっ。おおかみさんがビックリするからしずかにね』

大きな声を出したルフィを肩に押し付けてしゃべれなくした。今刺激したら確実に襲って来る。私は能力があるから自分もルフィも守れるけど、狼さんを傷付けたくないから穏便にすませたい。

怒ってる動物相手に大声を出さないことと背を向けて走らないことは絶対。周りに隠れる場所や逃げられる建物があるなら別だけど、開けてたり周りに何もない所ではしちゃいけない。

今回ルフィは全部オールヒットしてるからもうどうしようもないんだけど。今はとにかく狼さんを落ち着かせないと。

『どーしてこの子を追いかけてたの？』

「ん"ん"～！！」

『...あー、そっか。ごめんね、この子もわざとじゃないんだ。ごはんあげるから許してくれる？』

狼さんが言うには谷底で獲物を探してたら石をぶつけられたらしい。ルフィが暇で蹴ってた小石が前にいた狼さんに当たってそれで怒ってルフィを追いかけてたと。怒りついでにルフィを捕って食べてやろうと思ったと。うん、危なかったね。

カバンからお肉を取り出して狼の方に投げた。くんくんと匂いを嗅いだ後、ひと声鳴いてお肉を咥えて去って行った。「許してやる」だって。良かった良かった。

狼の足音が完全に聞こえなくなったところで抱きしめてたルフィを解放してあげる。全身泥だらけでボロボロだけど大きな怪我はしてない。酷くて膝の擦り傷とおでこの打撲だ。

「ノース、何でこんなとこいるんだ？」

『うーん、私のセリフだね。でも生きてて良かった。ケガの手当てしよう、お腹もすいたでしょ？』

「その肉くれんのか！？ありがとな！！」

『うん。痛いのちょっとがまんしてね』

「おう！」

カバンに詰めてた食べ物全部ルフィにあげて、食べてるうちに救急箱から消毒液やらバンソーコーやらを取り出して手当てする。汚れはガーゼに水を染み込ませて拭った。

ついでにコップに水を注いでルフィに差し出す。ジュースとか出せたらもっと喜んでくれたのかもしれないけど水以外出せたことないから無理だ。

口いっぱいにして食べるの可愛いなぁなんて思いながら食べ終わるまで見守った。

▽