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じゅう ページ11

水上「A、どうしたん?体調悪いん?」

『いや、元気だよ。』

水上「せやったら、どうしたんや?」

『あー、ちょっと思い出してたんだよね』

水上「何をや?」

『1年生の時の体育祭前日に、太刀川さんに捕まった事件。もうすぐ、体育祭だからね』

水上「ああ、前話とったやつやな。俺はまだそん時こっちにおらんかったからなぁ。見たかったわ」

影浦「カオスでしかなかったぞ。キラキラした目でAを見る太刀川と、それをニコニコと見る迅、困り果ててるA。それを遠巻きに見てる嵐山さん…マジでカオスだった」

『見てたんなら助けてくれれば良かったのに!本当、どうすれば良いか分からなかったのに…』

影浦「話したこともねえ奴を誰が助けんだよ。てか、そのメンツなら入って行きたくねえよ」

…嵐山さんいたんだね。気づかなかったわ。

カゲと初めて話したのは…ボーダー入ってからか。まあ、仕方がないのかな。


影浦「てか、今日、防衛任務だろ?俺らとの合同で。聞いていたか?』

『え、聞いてないんだが…また忘れてたんか…そろそろ忍田さんに言わないといけないなぁ…』

影浦「準備急げ。水上、俺らのノート頼んだ。細かいとこも頼んだ」

水上「いつも授業中、ノート取らんくせに。こういう時はちゃっかりしてんな…しゃあないな、やっとくで」

『ありがとー!じゃ、ボーダーでまた』

水上「おん。遊び過ぎて怒られるんでないで」

『そんなことしないよ?するん太刀川さんだけやし』





水上side

A級1位オールラウンダー、姫宮A、18歳。

ホンマ、怖い奴や。王子に恋心抱かれとるんに気づいとらんふりして、いつもと同じように対応する。誰の心でも見透かされる。嘘ついてもすぐバレてオモロない。

A、知ってるか?王子や、出水、奈良坂だけやないで?俺やて、Aの事好きなんや。絶対バレんようにするけど。外堀を少しずつ少しずつ埋めて、俺のモノにすんのや。

愛が重たい?そんな事は知らんで。欲しいモノはなんとしても手に入れる。それだけの話や。

『自分の出来る事、周りの出来る事を理解し、達観的に見れる所すごいよねぇ。参謀って感じしてカッコいい!』

そんな事言われたんは初めてやった。今まで……"水上って何考えとるんかよく分からんくて、怖いよね"としか言われんかった。俺は嬉しかったんや。

そろそろアピールしていこうか。絶対手に入れさせてもらうで、A?

じゅういち→←きゅう



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作者名:Reina | 作成日時:2022年11月14日 16時

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