四十五話 ページ47
返事を打ち返すと同時に、Aは一気に肩にどっと疲れがやってきた。
画面越しからだとしてはやはり表情とかはわからないな。と久しぶりにAは鈍る。
その間に、曇った顔のヴィルさんの姿が鮮明に脳内に表示された。
＿＿彼は、ネージュさんに嫉妬しているんだろうか？
美貌だけで言えば、互角だと思うんだけどな、と思うが、ヴィルさんは元が美しいネージュさんと同じように、美に関してを極めていた。極めて、極めて、自分は美しくならないといけないと何度も、何度でも、自分を鼓舞し今のヴィルさんがあるのだろう。
だから、自分と同じように美しい彼が、自分を追いやる立場としているネージュさん、を警戒しているのか、は俺は知らないが。まぁ実際、ヴィルさんがネージュさんのことを好ましく思っていないのは確かだった。
整っているスペック、可愛らしい顔。やはりネージュさんと俺とだとしたら共通点は生物学的に男と言うだけだろう。
個人戦で歌うネージュさんはやはりキラキラしていて、これぞアイドルと言うものだったのだが、Aは彼の歌を少し聞いた後、イヤホンを耳に差し込み、音楽プレイヤーからヴィルさんの歌を再生した。
＊＊
「はーん、四位ねぇ…」
個人戦の全種目が終わり、何十名ともいる中で俺の最終的の結果は四位と、表彰台にも上ることはなかった。一位はもちろんネージュさんでその後の二位と何万票も大差をつけて一位を取っていた。
四位で誰にも注目されないと思いきや、俺のことでネットはざわついているらしく、票は大体、元々投票する人が決まっている人がほとんどだが、今まで無名だった俺に、ここまで票が入るのは初めてだということを後からエペルが話してくれた。
エペルがくれた乾燥したドライフルーツを食べていると、その様子を見ていたエペルが気を利かせてか声をかけてきた。
「僕はAに入れたけど、ネージュさんの人気が凄かったね。多分ほとんどファンの票だよ」
「だろうな。まぁ、俺のことはどうでもいい。エペルは団体戦大丈夫かよ？」
「んー…。まぁ、色々あったけど大丈夫だよ。気持ちにも区切りついたし」
「そうか」
小さくガッツポーズをしながら言うエペルに「応援しとくぞ」と言ってやると嬉しそうに頬を緩めた。
「じゃあ、友達の見送りでもしようかね」
俺はエペルを見送るべく、立ち上がった。
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レオ - とっても面白いです。続きが気になります。 (1月4日 8時) (
レス) @page48 id: 8c9a5c91e3 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇柳 - たまたま30話見ていてカリムがカルムになっていました。 (11月25日 8時) (レス) @page31 id: a9dd4c9262 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - ふぎょあ、完結されてるんですね…この作品、めちゃ好きです。まだ占ツクにログインしてなかった頃、読みまくってました笑 ねっとり様に届くか分かりませんが、更新、お疲れ様でした。ほんとに本当にこの作品がこれからも大好きです！！！！！！ (6月26日 7時) (レス) @page48 id: 154e73901c (このIDを非表示/違反報告)
ねっとり - 雨中猫さん» アカウントを作っていなので急遽この形ですが作者です。コメントありがとうございます。「命に嫌われている」素敵ですよね、番外編でも他の歌とかも書いてみたいので気長に待ってくれると嬉しいです (2022年2月5日 23時) (レス) id: ad0790befa (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 主人公ちゃんに命に嫌われている歌ってもらいたいです！ (2022年2月4日 19時) (レス) @page27 id: 79b86edfa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっとり | 作成日時：2022年1月20日 16時
