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家入硝子side
朝一の職員室。煩い五条も居なければ、唯一の同性同僚のAもまだ居ない。大体Aの方が早く来るから、そろそろだろうか。
そう考えながらも七海と伊地知と世間話をしていると、スパンと音を立てて引き戸が開けられた。
「おっはよ〜!みんな朝早いねぇ」
「…あれ、お前の方が早いのか。Aは?」
「え?居るけど」
入口に仁王立ちする五条の後ろからAがひょこりと顔を出す。ちょいちょいと手招いてやれば、おはようございますと私の隣に座った。可愛い後輩だ。
「A、昨日何処かに泊まった?」
「え?えぇ、まあ」
「五条と?」
「そうですけど」
その返答を聞いて眉間を軽く押さえた。ついでに特大のため息も。
いつも同じような服の五条はさておき、Aも全く同じ服装なのはさすがに不自然だろう。男女が何処かに泊まってそのまま職場直行なんて、1つしか理由がないだろうに。
「いつの間にクズは自覚したんだ………そもそもAは………」
「家入さん?」
「お前ら、同意の上だろ?」
「泊まったことですか?同意というかなんというか」
「違うのか?」
「気付いたら泊まってたというか、私が起きたら朝でした」
特大ため息2つ目。近くで五条に絡まれていた七海もギョッとしてこちらを見ている。伊地知は聞いてはいけないことを耳にしてしまったかのように青くなっている。
「最低だな、五条」
「…多分ですけど、家入さん勘違いしてますよ。今回のは全面的に私の責任なので」
「Aが連れ込んだのか?」
「言い方」
違いますよ、と眉を八の字にして短く息を吐くA。…まあ、ああ見えて五条はヘタレだからな。二人の関係は平行線のままだろう。事情の知ってる私達以外の人間は、これでよく婚約出来たと目を丸くしているに違いない。
「僕らが一線超えるなんてことは絶対ないでしょ。少なくとも僕の目が黒いうちはそんな間違えはしないよ。こいつが実家の前で倒れてたからそのまま泊まっただけ。硝子残念」
「倒れたって…何かあったのか」
「ただの過呼吸です。今はもうこの通り任務にも支障はないです」
確かに、Aの顔色は悪くないし今は呼吸も正常のようだ。少なからず不安はあるが、休むよう勧めたところで「ただでさえ忙しいのに穴開けられない」と拒否されるのがオチだろう。そこはもうちょっと可愛くなってもいいと常々思っているのだが。
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ユシュケ(ユコ)(プロフ) - まめさん» ありがとうございます〜!すごくすごく久しぶりにまた更新しましたのでまた読んでやってください✩ (2022年12月20日 1時) (レス) @page48 id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - ずっとずっと待ってました!すごくすごく久しぶりに開いたら通知が来ていたので嬉しすぎました泣また頑張ってください!応援してますー! (2022年9月25日 21時) (レス) @page47 id: 3de5d823fb (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - 妃さん» こちらこそありがとうございます!!時間が経ってしまいましたがまた読んでいただけると嬉しいです♡ (2022年9月4日 1時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - chiaki0708さん» オリジナル要素多すぎて読みにくいかな…?と思っていたのでそれを聞けて嬉しいです!すこ~しずつまた更新していくのでよろしくお願いします! (2022年9月4日 1時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - はるきちさん» ありがとうございます!ちょこちょこ再稼働し始めたのでまたよろしくお願いします…!! (2022年9月4日 1時) (レス) @page47 id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2021年3月18日 11時