百五拾七、コードネーム(笑) ページ7
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それから時折ヅラから連絡が入るようになった
さすが現役攘夷志士というべきか、今まで知り得なかった情報が垂れ込んでくる
今日も土方さんと山崎と3人でこっそり会議をしてると着信が
だけどこの人たちの前で堂々と出られる訳もなく無視を決め込む
山「………Aさん?ケータイ鳴ってますよ?」
「気にしないで。後でかけ直すから」
♪〜
山「でも、なかなか止まりませんよ?」
「諦めが悪い人なの」
♪〜
土「うるせぇから出ろ。さっさと黙らせてこい」
「………はい」
土方さんにシッシッと手を振られて渋々廊下へ出る
そして溜息をつきながら通話ボタンを押す
「………ヅラ、前あんたに言ったでしょう?五コールして出なかったら切れって。何聞いてんの?バカ?」
桂『せっかく情報提供してやってるのにそれは無いだろう』
「その“せっかくの情報提供”のせいで私の首が飛んだらどうするつもり?」
桂『安心しろ。お前が投獄されたら俺が助けに行ってやる。そしてそのまま攘夷志士にs___ 』
「ならないってば。やっぱりバカなんでしょう」
桂『命の恩人に向かってそれは無いだろう!』
「うっ…」
それを出されては反論できない
小さく咳払いして話を戻す
「…で、今回はどんな事が?」
桂『…次回の取り引きの日時だ。三日後の十五時、その元重鎮、田安の故郷。警護には協力関係にある過激派の攘夷志士を付けるとのことだ』
なるほど、もうそこまで綿密に練られてるという訳か
会話を終えて部屋に戻ると、丁度土方さんも険しい顔付きで電話をしていた
山「…大丈夫でした?ちょっと声荒らげてましたけど」
「いいの。相手が私の話をちゃんと聞いてなかったから」
山「そうなんですね…」
「もしかして会話の中身聞こえてたりした?」
山「少し。最初に“ヅラ”?にどうのこうの…って」
桂のことだったりして、と冗談よろしく笑ってる山崎に冷や汗が出る
私の第一声が聞こえてたらしい
「…さっきのは情報屋。ハゲ隠すためにカツラ付けてるからそういうコードネームなの」
聞かれてもないのにそう付け加えると、土方さんも通話を終えてこっちに来た
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時