百九拾八、守るべき背中 ページ48
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一方的に通信を切ると、深く息を吐いた
血なまぐさい息
口の中も切れてるし、多分内蔵とかも幾つかイッた
鉄の味には慣れてしまっているけど、正直しんどい
山「何で無事って言ったんですか?!これの何処が無事なんですか?!」
「うるさい………傷に響くでしょう」
山「土方さんに伝えて救護班も呼んだらいいじゃないですか!」
「本当に黙って」
山崎本当に煩い
ただでさえ疲弊してんだからパトの中くらい休ませてよ
「無事だとか無事じゃないとか煩い。早く車出して。……………無事じゃなくなるまえに」
山「っ…!わかりました!」
ごめん山崎、あんたも傷だらけなのに
私はもう意識保つだけでいっぱいいっぱいだから
「……………始末書、何枚かなぁ…」
山「始末書で済むといいですけどね」
「この状態で切腹とか…笑えない……………」
本当は屯所に戻りたくない
あの人達が居るあの屯所には
でも、帰る場所はあそこだけだから
「………ごめん、山崎」
山「…どうしたんですか、急に」
「私があの時………山崎から離れていなければ」
お互いここまで傷付かなくてよかったのに
そう言うと、山崎はアクセルを勢いよく踏んだまま首を振る
山「そんなこと……………」
「私、まだ慣れてないみたいで………背中を護ってくれる誰かが居る、ってことに……護る背中がある、ってことに」
駄目だな、チームワークがとれないなんて
「……………強く、なりたいな」
不思議と、穏やかな気持ちだった
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時