百八拾八、宣戦布告 ページ38
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沖「Aさん、2人とも
「精鋭がこんなあっさりと…?」
総悟の直属の部下は粒ぞろいの隊士ばかり
それがいとも簡単に負けてしまうとは
沖「クソッ………全員ぶっ殺してやらァ」
「落ち着いて。まずは二人のことをどうにかしないと」
沖「………はい」
総悟が冷静さを取り戻して応急処置をし始めたのを見届けてから、土方さんに状況を報告しつつ私も手当した
周りには野次馬が多少居たものの、攘夷志士と思しき人物は見当たらず、どうやら短時間で撤収したようだ
目的は天誅、か
「…結局、天誅ってなんなの」
沖「知りやせんよ。テロリスト達の思想なんて」
俺に歯向かう奴らは全員ぶった斬るだけですよ
そう呟やかれた声にいつもより憎しみが込もっていたのは気の所為か
暫くして救急車が到着し、大江戸病院に運び込まれた二人の病室の前で総悟と座り込んだ
お互い黙り込んでいたが、ふと隊服のポケットに手を突っ込むと、指先に布ではないものが触れ、つまみ出してみる
「…あ、」
沖「どうしやした」
隊士の手に握られていた花が描かれた紙切れ
救急車に付き添いで乗り込む時に、とりあえずポケットに突っ込んだんだっけ
すこし皺のついたそれを広げて総悟の眼前に突き出す
「これに見覚えは?」
総悟は首を横に振ったあと、もう一人の手には何も無かったと言った
…なんで片方にだけ?
「花に意味でもあるのかな」
沖「どうでしょうね。ただひとつ分かるのは、
…俺らへの宣戦布告ってことでさァ」
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時