百八拾七、お気に入り ページ37
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「…ごめん、あの人達邪魔になってるでしょう?」
沖「Aさんには悪いですけど、割と邪魔ですねィ。特にガキの方が」
「朋ちゃん、か」
総悟と土方さんはあの子のお気に入りだからね
他の隊士にも笑顔と愛想を振りまいてはいるけど、この二人は別
女の勘、ってやつなのかどうかはわからないけど
どちらも整った顔してるから万人受けはするだろうし
そのとき、私の携帯が鳴った
「もしもし」
土『俺だ。今いいか』
「…何かあったの?」
いつもより緊迫した雰囲気の土方さんにそう聞けば、隣を歩いていた総悟も耳を寄せる
土『パトカーが襲われた。至急総悟と向かってくれ』
「っ!……誰、攘夷志士?」
土『連絡が途切れちまったからまだ何もわからねぇ。俺も今から向かう』
「…わかった」
現場を聞き、通話を切ると同時に総悟を連れて走り出した
「うちのパトが誰かに襲われた。ここから割と近いから直行しよう」
沖「昼間から俺達に喧嘩ふっかけるなんざ、よっぽど自分の腕に自信があるんですねィ」
「知らないわよ。その勇姿だけは認めるけど」
そんな軽口を叩きながら現場付近の過度を曲がると、白い煙を上げて止まっているパトカーが1台
無残な状況に一瞬足が止まりかける
急いで駆け寄ると、手前に見覚えのある隊服が一人
見廻りは2人以上で1組になっているから、最低でもあと一人もいるはず
「私こっち見るから、総悟はもう一人を」
沖「分かりやした」
目の前に倒れている隊士の下には大きな血溜まりが出来ていて、早く治療しなければいけないことはひと目でわかった
何度か声をかけてみると「うぅ…」と小さく呻いていて、少し安心する
「もう大丈夫。何があったの」
隊士「…急に………引きずり出されて……男が…何人も………」
「男?」
息はあるもののそこで意識をなくした隊士の止血を軽くしながら土方さんに連絡していると、目の前の彼が手に何かを握りしめていることに気が付いた
白い…紙のようなもの
何気なくそれを取って広げてみる
「………これ、は?」
それには、一輪の花が描かれていた
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時