百八拾四、宝物 ページ34
Aside
「…別に泊まり込みじゃなくても___ 」
晶「へぇ〜、貴女意外と小綺麗にしてるのね。もっとごちゃごちゃしてると思ってたわ」
朋「他の部屋よりは大きいみたい!」
近藤さんと土方さんが戻り三人だけ部屋に残されると、私の話も聞かずに勝手に部屋を漁られる
まあ…丁度機密書類達は土方さんたちに受け渡した後だからいいけど
朋「わぁ…着流しばっかりで男っぽいなぁ………あれ、これだけ着物だ!」
「………え?」
押し入れをガサガサしていた朋ちゃんの方を振り返ると、その手には
「それ触らないで!」
突然出た大きな声に自分でも少し驚く
でも、本当に触って欲しくない
だってそれは、土方さんにもらった大事な着物だから
朋「お姉さまこわい…うぅ………」
「…え、」
晶「ちょっと!何妹虐めてるの!」
だって、思わないじゃない
少し声を荒らげただけで泣かれるだなんて
「…ごめん」
朋「…許してあげるけど、一つお願い聞いてくれる?お姉さま」
「………?」
ピタリと泣き止んで口角を上げた彼女に何となく嫌な予感はしたけれど、遅かった
朋「このお着物、朋に貸して!!」
「は…?」
朋「だって綺麗な色なんだもの!少し地味な色だけど、どう?朋に似合うでしょう!」
自分の体にあてがって見せてくる朋ちゃんと、「似合ってるわ!」と囃し立てる母上
待ってやめて、と言う前に二人は着替え始めて、あっという間に着付けてしまう
似合ってるのが何とも悔しい
気に入った〜!と廊下へ走り出した朋ちゃんを追いかける
本当にやめて
大事なものなの
数少ない宝物
「お願いだから返して___ 」
朋「きゃあ!!」
曲がり角で、目の前の朋ちゃんが誰かとぶつかった
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時