百七拾四、探し者 ページ24
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書類を抱えて部屋に戻ると、次は近藤さんが尋ねてきた
近「傷はもういいのか」
「これくらいどうとでもなります」
そう言ったが、まだ右手はミイラ状態
筆や箸を持つ程度の動作は何とか出来るが、剣を振り回すような力仕事は暫く左手で頑張るしかない
握りしめたり広げたりという動作を繰り返していると、縁側に座った近藤さんが本題を切り出した
近「…分かったか。ウチで居続けていいのか」
一瞬手を止め、次はだらしなく手の力を抜いた
「…分かったような、余計分からなくなったような」
テロリストまがいの行動をした自分と、テロリストを排除したいと思う自分
欲望ありきの正義を持つ自分の居場所は、自分でもよく分からない
でも唯一、分かったこと
「…でも私、強くなりたいです。ここで皆と」
兄のことを知ってる銀時の言葉だったからなのか、何か響くものがあったらしい
強くなれば、大切なモンも護れるようになる
振り返った近藤さんは、優しく笑っていた
近「人生そんなもんだ。本当に知りたい答えなんざ、そう簡単に見つかるめぇよ。見つかってたら誰も生きるのに苦労しねえ。俺だって、毎日答え探ししてる」
土方さんとはまた違う優しさに胸が温かくなる
あんたの言う通り、私の上司はよく出来た人ばっかりね
近「早速俺今探し者があるんだけどさ」
「探し…
近「お妙さんどこにいるか知ってる?」
始末書の束で顔面引っぱたいたのは言うまでもない
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時