百七拾、誤解製造機 ページ20
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本降りの中を、一台のパトカーが走っていく
運転は銀時、私はその隣で止む気配のない空を見上げる
アドレナリンが切れた今になって、右腕がズキズキと痛む
「銀時はあの戦争で何かを得たの」
雨音しか響かない沈黙を、自ら破る
銀「………あんなモンから得るものなんざ、何も無かったよ。
護るために、取り返す為に戦ったはずが、何も護れなかった。何も取り返せなかった。そればかりか失うモンしかなかった」
ふと運転席を見るが、その時の銀時はいつも通りの冴えない顔付きだった
銀「人を斬るなんざ、お前らみたいに正義をかざしてようが、高杉みたいに欲望がまま行動しようが、人を殺めるってことに変わりねェんだよ」
合法か違法かの違いだけだ
そう零し、僅かにスピードをあげた
……………銀時達は、松陽先生を取り返す為に刀を取ったんだっけ
………と、急に車に無線が入る
土『………おい、A!テメェ今何処だ!!非番のくせに無断でパト乗り回しやがって!!!!!』
土方さんだ
しかもかなりお怒りの
そういえば勝手に乗ってきてたな、と思い出す
「…どうしよう、何て言い訳すればいいと思う?」
銀「言い訳?ンなモンお前はしなくていーよ」
そう言うと私の手から無線機を取り上げる
銀「誰だテメェ!こちとら万事屋銀ちゃんが運転代行中だコラ!!!」
土『なっ!なんで万事屋が乗ってんだよ!!!Aを出せ!!!!!』
銀「残念でした〜〜〜Aは事後によりおねんね中ですぅ〜〜〜ってことで、二度と連絡してくんなよクソニコチンマヨラー。じゃあな」
これどうやって切んの?ぶっ壊していい?と木刀を取り出すのを止めて、それの電源を切る
これで土方さん達からの連絡も入らないだろう
…ところで
「事後って…誤解生んだらどうしてくれるの」
銀「しらね。マヨ方君の想像力次第だろ。つーか、俺との誤解生まれんのがそんなに嫌か。なにそれ銀さん傷付くんですけど」
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時