百七拾一、強がりな弱虫 ページ21
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屯所に戻ると、すぐに土方さんと山崎がとんできた
心身共に疲弊してた私は、怒鳴られるだろうと思って目を閉じた
けど、それはなく
土「…明日全部聞く。今日のとこは休め」
「………え?」
土「山崎、手当してやれ」
山「はっはい!」
怒られないのが、逆に怖かった
腕の手当てをしてもらいながら、私は山崎に聞いてみることにした
「土方さん、怒ってたでしょう?」
山「結構怒ってました。自家用車じゃねえよって」
「まあ当たり前ね」
山「でも局長の部屋に行ってから急に何も喋らなくなったんですよ。相変わらず舌打ちはしてましたけど」
「………?」
山崎にも私にも、その理由は分からなかった
取り敢えず部屋に戻り、最後の休暇をくつろぐことにした
と言っても明日土方さんに何を言われるのか気が気でなかったけれど
「…あーあ」
布団に寝転び、天井を見上げた
さっきの銀時の言葉が頭の中で繰り返される
“無理に強がらなくていいぞ”
私の中の何かが救われた気がした
もしかしたら、ずっと誰かにそれを言われたかったのかもしれない
言われないと弱みを見せてはいけないと思っていたのかもしれない
「…もう誰も、殺さないよ」
右腕の痛みは、もう無くなっていた
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時