百六拾六、雨予報 ページ16
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細かい動きでは断然私の方が速く、躱して背後に回り込んで斬りかかり、二人目は振りかざしてきたその手元に斬り込んでそのまま腹に一発、最後は足元を崩した後飛びかかって御終い
“やるかやられるか”、そんな時間は割とすぐに終わった
この様子を少し離れたところで見ていた役人と田安は一瞬息を呑んだ後、車に乗った
「っ…逃げんな!!!」
くそ、と吐き捨ててパトカーへ向かうと、丁度銀時が降りてきていて「乗って」と合図する
右手はぐるぐる巻きになってるから左手だけで何とか操縦する
多少の傷はあるけど、あの数の敵を相手にして平気そうな顔をしてる彼に、改めて本物の白夜叉なんだと確信した
「大丈夫だった?」
銀「お陰様でな」
「…ごめん」
銀「何で謝んだよ。ああすんのが正解だったろ。逃げられてるけどな」
だからさっさと追いつこうぜ、と言いつつフロントのボタンをガチャガチャ弄っていると、急にジジッとラジオが流れてくる
『今日は……夕方から…江戸全域で雨が降るでしょう……』
銀「嘘だろ?俺傘ねーんだけど」
「奇遇ね。私もよ」
雨嫌いなんだよな、と自分の天パを弄ってることから察するに、湿気で膨張するのだろう
そんな緊張感のかけらもない会話をしながら暫く車を走らせると、前方にさっき見た高級車が見えてくる
またアクセルを踏み込み、そのまま軽く追突する
田「おっ…お前、まだ来てたのか!」
「当たり前でしょう……銀時、運転代わって」
銀「はっ?!おいちょっと待て___ 」
「雨が嫌ならそのまま帰ってていいから」
適当に言葉を交わしながら運転席の窓から乗り出し、そのままパトカーの上へ移る
慌てて銀時がハンドルを握るが、一瞬蛇行運転になる
何とかしがみついて次は前の車の上に移り、ボンネットに勢いよく刀を突き刺す
うわっ!という声と共にキキーッと煙を上げて回転し、咄嗟に飛び降りると車は爆発した
炎の上がるそれのドアが開き、二人が転げ落ちてくる
よくもまああの爆発で死ななかったものだ
運が良かったのか、それともしぶといだけなのか
そんなこと私にはどっちでも良かったし、どのみち今から
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時