百六拾一、自己満足 ページ11
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私の生活費削減と引き換えに「万事屋銀ちゃんに任せな」と返事を貰い、何やかんやで当日に
十五時という真昼間に取引を予定した彼らが何を企んでいるのかは分からないが、大方夜中だと思われているからその裏をつく、という安直な考えだろう
情報筒抜けの私達にその手は通用しないってのに
「頃合、かな」
正午、隊士の多くが食堂や外で昼食をとってる時間帯
着流しの私は腰に刀を差し、不自然無い様に部屋から出た
途中すれ違う隊士に「Aさん、今日も休暇っすか?」と何度も聞かれたが、そうだと言うと怪しむ人は居なかった
そのままパトカーが止めてある場所に向かい、誰も居ないのを確認して急いで万事屋へ向かう
バックミラーに一瞬土方さんらしき人が映った気がするけど多分気がするだけだから大丈夫
銀「…本当に行くのか」
約束してた時間に行くと既に外に出てきていた銀時は、助手席に乗って開口一番そんなことを伺ってくる
何を今更、と隣に吐いて私はまたアクセルを踏んだ
「………これで何かが変わるとは思えないしただの自己満足だとは分かってる」
銀「じゃあその自己満足はどうやってゴリラ達に報告すんだよ。隠したってそのうち死体はあがるぞ」
「…知ってる?私意外と事務処理が得意なのよ?」
何処かの攘夷志士の所為にするなんてお手の物よ、なんて言ってみせる
銀「んで、上司にはなんて言って出てきたんだよ」
「?何も言ってないけど」
何故言う必要が?と首を傾けると、「面倒事には巻き込むなよ」とジト目を浴びる
何で非番の時の外出を逐一報告しなきゃいけないのよ
銀「パトカーは」
「…あったから、借りた」
銀「お前なぁ…」
「大丈夫よ。誰にも見られてないし人づてにごめんって言ってあるから。…多分」
銀「多分って…」
「早く片付けてさっさと帰ってこればバレない。ほら、行くよ」
アクセルをさらに踏んで、郊外へ続く道を飛ばした
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時