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姉じゃない4 ページ5

3年生が居なくなり、新入生が入ってくる。
そして1年生も含めての『音駒として』初めての試合を見たのだけれど……。


「…ひどいな、音駒。」

「はぁ!?」


ふたり、プラス夜久さんとの帰り道、改めて試合を思い出す。

ちなみに夜久さんは春頃から何故かワクワクした様子で話しかけて来るようになり、わちゃわちゃ話した結果先輩からさん付けに変化した仲である。


「なんか…ウザイの本当の意味を知った気がする。『ウザイ』『しつこい』『粘っこい』の三拍子。……本当にひどいね?」


土曜日の、それなりに強いはずの学校との試合を見た。
そう、それなりに強いはずなのだ。


「ウザすぎ…特に夜久さんと鉄にぃ…見ててモヤモヤする。」

「なんで俺!?そこは黒尾だけだろ!!」

「いや俺もそーゆーのないから!」


「相手それなりに強い、はずなのに打っても打ってもブロックあるし、レシーブヤバいし。そんで抜けたと思ったら夜久さんいるし…もうこれカバー出来ないレベルの悲惨さだよ……。

音駒のリベロ倒せなんて格が違いすぎるから無理でしょ……どうすれっていうのさ…!
後半もう力のゴリ押しばっかだし、もうそれは同情しかしないし!夜久さんすごいし!今すぐあれ倒せってのは無理!

そうか、あれが無理ゲーってヤツだ……!!」


『無理ゲー』なるものを理解していなかった。
大体なんとかなるから。
でもあれは、うん『無理ゲー』だ。


「お、おう……。」

「夜久さん、ただの私の愚痴なので気を使わなくていいですよ。…あー、モヤモヤして仕方ない。」

「絶対あれ褒めてるよな?」

「無自覚な。あとアイツ褒めるのド下手くそだから。」

「マジ?」


聞こえてるぞ、そこの鉄にぃよ。
これは対岸の火事ではない、鉄にぃにも関わることだ。


「鉄にぃも…。」

「なんで?」

「ウザイ。ブロックとかレシーブもなんだけど、時間差とか昔のヤツ小技ちょいちょい入れるのウザイ。研磨が参謀役してるにしてもあまりにウザイ。ウザすぎる。」

「…研磨、これウザイ=褒めてるってことでいい?」

「うん。」


後ろでゲーム音が聞こえてるぞ、研磨!
もちろん研磨もなのだけれど!


「研磨は隠れてるだけで、気づかれたら1番ヤバいぐらだからね?」

「え……。」


結果的に私の言葉を3人は最後まで聞いてくれていたのだった。


愚痴聞いて何が良いのかわからないけど、次の日夜久さんに「俺もっと頑張るな!」と笑顔で言われたのは謎でしかない。

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作者名:ドク | 作成日時:2022年8月24日 18時

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