よんいち ページ42
マキ「で、でも血液はどう考えても本物だよね…。
これは一体どうしたんだろう…。」
リツ「あぁ…!それならさ!」
どうやら、リツちゃんに心当たりがあるらしい。
血の在処が分かるなんて、リツちゃん吸血鬼かなんかなのか?
リツ「3階の病室にあった輸血パックを使ったんじゃね?
その輸血パックを破って、胸元にかけたんじゃねーの?」
『なるほど。
それでミホさんが刺殺されたと見せかけたってことだね。』
コウ「狼は刃物を使わずに、刺殺死体を作り出したというわけだな。」
リンタロウ「そうすることで、刃物を使える立場にあった人間に罪を被せようとしたわけだね♪
頭いいなぁ♪」
タクヤ「でも、注射器を使って殺すって素人じゃかなり難しいんじゃないか?」
チエ「た、確かにそうですね…。
的確に、相手の血管に注射しないといけないわけですからね…。」
『そうそう、チエちゃん、タクヤさん。
そこが重要なんだよ。
つまり、今回の狼は注射器を日常的に使い慣れている人間ってことになるね。
さぁ、そこで問題を出そう。
この中で、一番注射器を扱い慣れていると言える人物は誰かな?
ハイ、ユキくん!答えてください!』
ユキナリ「えっ、俺!?」
コウ「お前、もう少し真面目に裁判に参加できないのか…。
なんせ、もうすぐ1人の人間が、死ぬんだからな…。」
黒い笑顔で私から視線を外す。
その視線の先にいる彼は、体を強張らせ、青白い顔をして新村くんから目を逸らした。
…やっぱりイケメンにはゲス顔が似合う。
ユキナリ「え、えっと…。
犯人は、注射器を日常的に使い慣れていた人…。
それは、精神科医のサトルさんしかいないよ!」
サトル「わ、私!?
医者である私が、人を殺すわけないじゃないか…。」
リツ「それをこの状況で、なんの説得にもならないぞー。」
サトル「し、失礼だな!
ま、まぁ…ユキナリくんが言うように、犯行に注射器が使われたとしよう…。
でも、流石に私が医者で注射に慣れているってだけで、狼だと決めつけるのは強引じゃないか?」
『んー…。
ユキくんに言い当てられたときの反応でほぼ決まったかなーって思ってたけど…。』
サトル「うっ…。」
『でも確かに、彼が言う通り彼の他にも注射器の知識がある人間がいないとも言えない。』
サトル「そ、そうだろう…?」
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作者名:ハチミツころっけ | 作成日時:2024年3月15日 16時