さんに ページ33
最初、何を言われたのか分からなかった。理解が出来なかった。
コウ「………は?」
そうやって絞り出した一文字は、情けなくも質問から随分と時間が経った後で。
自分が狼だと疑われる様な行動をした覚えはない。
なんの突拍子もなく、何を言うんだ、この女。
俺がこんなにも動揺しているのは、質問が意外だったからということもある。
だが、一番は。
コイツの、冷たい視線。
殺気と表現してもいいぐらいに、その視線は鋭かった。
コウ「…っ、どういう、意味だ。」
そう尋ねても、彼女の表情は変わらない。
…かと思えば、今度は俺たちにいつも向ける、ヘラッとした笑顔を見せた。
『いや、別に?』
コウ「………はっ?」
一言で表すと、拍子抜け、である。
あまりの意外さに、デジャヴを感じる反応を見せてしまった。
コイツといえば、そんな俺を見てケラケラと笑っている。
コウ「おい、いきなりそんなことを聞いて、一体なんのつもりだ?
俺を揶揄っているのか?」
『うーん、からかってるのは間違いではないケド、思ったことを確かめに来ただけだよ?』
…いちいち癪に障るヤツだ。
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作者名:ハチミツころっけ | 作成日時:2024年3月15日 16時