23話 智side ページ23
晃はまだ冷めぬコーヒーをゆっくりと口へ含み、千尋はカップを両手に話が始まるのをじっと待っていた。
2人が落ち着くのを待つと自分の席からソファへと移る。
智「千尋、中学生の時Aは昼ごはんどうしてたか分かる？」
千「んー、愛とか他の友達に半分食べてもらってたみたい」
晃「休みの日とかは？」
千「俺といるときは昼は食べてない。Aが食べないっていうから俺も食べないかも」
智「じゃあ学校で眠そうにしてたりとかは？」
千「それはないけどたまに先生に注意されるほどぼーっとしてることはあったかな」
智「一度ちゃんと話してみた方がいいのかもしれないなぁ」
千「Aそんなに酷いの？」
智「俺らが思ってるより酷いかもしれない」
千「そっか」
晃「…あの、智先生」
智「ん？どした？」
晃「今の状態でAを1人にするのは危険ですよね」
智「…っ、どういうこと？」
晃「会社から海外出張の話がでていて…」
千「晃兄A置いて行くの？」
晃「向こうに連れてけばAは環境の変化に対応できないと思うんだ」
千「じゃあAはどうするの」
晃「Aだっていつもでも小6のままじゃないと思うんだ」
智「千尋も晃も落ち着いて」
晃「正直もうしんどいんです」
智「…晃？」
晃「…ごめんなさい」
智「晃、少し大人たちで話そうか。千尋はAのところに戻っててもらえる？」
千「ん、わかった」
千尋はすぐに診察室をさった。
智「晃少し休んでて」
晃が微かに頷いたのをみると電話をとり家にかけた。
智「あ、もしもし。うん、俺。そう、うん、あのさ今から俺の診察室まで来てほしいんだけど」
不思議そうにこちらを窺う晃に申し訳ないが無視してそのまま話をすすめる。
智「晃がいるよ、うん、はーい、うんうん、気を付けてね、はいはーい」
2つ返事で来てくれることを了解してくれた彼が到着するまではゆっくりしようかな。
智「晃、今から翔が会いに来てくれるって」
晃「え、本当？」
智「ふふ、本当」
晃「…っありがとう」
ふぅ、やっと晃の安心した顔が見られた気がした。
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空蝉(プロフ) - naoさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年2月3日 21時) (
レス) id: 94fcae9fee (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 登場人物のところの紹介の友人の所が桜井のって全部なってるけど、桜木の間違いですよね。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空蝉 | 作成日時：2020年1月27日 22時
